副鼻腔炎

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人の体のナゼとワケ~「続」花粉症と副鼻腔炎の本質    2015.4.1 有本 政治

花粉症の根拠と機序については、すでに解説してあります。鼻や目の粘膜の
免疫力低下のため花粉、ダニ、ハウスダスト等の処理が出来なくなった対応と
して、これらを全て排出するための手段として症状を出しています。
無毒化処理出来なくなった花粉、ダニ、ハウスダスト等を体内に蓄積させない
ために、必要な対応をとっています。

目や鼻の粘膜の免疫力が低下するのは、局所的な問題だけではなく、体全体
の生命力や免疫力の低下が背景にあり、全身の血液の循環、配分、質の乱れ
があります(前の項に詳述してあります)。ここでは花粉症発生のもうひとつの
大きな要因として挙げられる副鼻腔炎との関連を解説します。その前にまず副
鼻腔炎とはどういう症状なのか現代医学的な所見と治療法を説明します。

はじめに副鼻腔とはどこに位置していて、どういう働きをするのかを説明します。
副鼻腔は頭蓋骨の中心部、鼻の奥にある複数の空洞の事です。4つの空洞が
鼻腔とつながり、かなり高範囲に渡る空洞になります。副鼻腔の働きは、鼻から
吸い込んだ空気を、この空洞に循環させる事で、空気の温度を調整し、脳内
の温度を一定に保つエアコンの役割を担っています。つまり脳の温度が上が
らないようにするための”空冷装置”の役割をしてくれています。特に脳の中心
の脳幹部(生命維持機能の司令塔)の熱の上昇を抑えて、生命を維持していく
ため中枢機能の働きを守ってくれています。

空冷装置とは何かと言いますと、空気を流す事で熱を奪う仕組みです。空気
に触れる面を増やすために翼状(フィン)の突起を表面に付けます。わかりや
すく例を挙げれば、オートバイのエンジンを包んでいるフィン状の突起群が相
当します。走行中に空気を使って、熱くなったエンジン表面を空気の流れをま
とわせる事でエンジンを冷やし、オーバーヒートを防いでいます。副鼻腔内も
この構造と同じように無数のフィン状の突起が存在します。フィンを付ける事
で空気に触れる面を増やし、空気の流れの調節も果たします。空冷とはこう
いう意味になります。ちなみに自動車は、エンジンも大きく熱の発生量が高い
ため、空冷装置では熱を冷ます事が不可能で、水を使用した水冷装置を冷
却に使っています。実はこの水冷装置という考え方が副鼻腔炎の本質を解く
鍵になります。

副鼻腔炎とは風邪や鼻炎などをきっかけに、鼻の奥の副鼻腔に細菌感染が
起こり、炎症が起きた症状を言います。症状は垂れるほどの鼻水、呼吸困難
になる程の鼻づまり、膿状の鼻水、臭覚障害、痛みの発生(鼻の奥、頬骨、額、
歯等)が挙げられます。急性と慢性があり、細菌感染が主な原因とされていま
す。治療法は細菌を抑える抗生物質、消炎剤、鎮痛剤といった薬物療法が
主体になり、ネブライザー療法という、抗生物質を鼻から霧状にして吸い込む
点鼻療法がありますが、治りにくい時や、重度の場合は手術的な治療になる
こともあります。

以上が副鼻腔炎の現代医学的な所見と治療法になります。次に日本伝承医学
の捉える副鼻腔炎を解説します。生きている体に起こる全ての反応は、意味の
ない事はしません。何かを元に戻し、命を守る対応をとってくれているのです。
症状とは見方を変えれば、元に戻すための一時的な必要な対応と考えられる
のです。様々な苦痛を伴うため、一時でも早く取り除きたいと思うのは人情です。
ただ症状の根拠と機序を正しく知った上で処置を講じるべきなのです。

この視点に立って副鼻腔炎を捉え直すと以下になります。
副鼻腔炎とは 、細菌感染による炎症ではなく、脳内の熱のこもりを副鼻腔の
空冷装置で取り除く事が出来なくなり、熱を冷ますために水を集め、水を使用
して脳内や脳幹部の熱を冷ます必要対応になります。空冷から水冷への切り
替えを余儀なくされた対応になります。体は大切な機能を守るためにはここま
でのことを成し遂げます。さらにもっと幾重にも対応手段を備えているのです。

鼻の奥で脳の中心部までをしめる大きな空洞に水や膿が溜まるため、鼻水を
かんでもかんでも次々と出てきます。初めは水状の鼻水が、脳や脳幹部の熱
のために、ネバネバした膿状の鼻汁に変化していきます。この鼻水や膿状の
鼻汁は、脳や脳幹部の熱が下がらない限りは次々と貯留します。それは脳幹
部に熱がこもると、生命維持機能に指令を出す中枢の働きが低下してしまい
様々な生理機能に影響が出てしまうからです。

脳幹は別名”命の座”と呼ばれ、呼吸中枢、心拍中枢、体温中枢、ホルモン中
枢、自律神経中枢、女性の生殖機能の中枢等が収められています。また精神
的な情動の調整もここで行われています。正に生命維持の指令中枢となってい
るのです。ここの機能が低下すると生命力や免疫力が下がり、様々な病気を引
き起こします。感染症やガンも発生しやすくなります。これを守るために、体は
副鼻腔に水をためて脳幹部の熱を冷ます対応をとるのです。これが副鼻腔炎
の本質です。

副鼻腔炎が発生すると、目や鼻の粘膜の免疫力は低下します。粘膜の免疫力
の低下は、花粉症の原因となる事は前項で詳述してあります。その人自身の生
命力や免疫力の低下と共に、花粉症発生の直接的原因は、まず副鼻腔炎の
発生があり、これによる目や鼻の粘膜の免疫力の低下が引き金になっていくの
です。このように花粉症と副鼻腔炎とは密接な関係があり、結論的には副鼻腔炎
の発症が先にあり、目や鼻の粘膜の免疫力の低下を引き起こし、これに乗じて
花粉症が発生するのです。

また、副鼻腔炎の発生は季節と深く関わっています。花粉症の発生時期は、
1月末位から4月の末位までの春先から春にかけての時期になります。副鼻腔
炎はこの頃起こりやすくなります。その理由は季節と内臓との関連にあります。
東洋医学では、春と肝臓(胆嚢を含む)を結びつけて考えています。つまり一年の
中で春という季節は、五臓の中で肝臓と胆嚢が一番活発に働く季節に配当され
ています。そのための準備として、春先から肝胆に血液を集め、熱も発生させて
肝胆機能を高めようとするのです。現代人のほとんどが、自覚は無いのですが、
肝臓と胆嚢機能が低下している状況にあっては、より大量 の血液を集め、
軽い炎症状態にし、肝胆に腫れも生起させることで、機能を高めようと活発に働
きかけます。

これが春先から春にかけて体に起こるのです。この体の必要対応は、一時的に
全身に様々な影響をもたらします。中身の詰まった大きな臓器である肝臓に大
量の血液が集まる事で 、全身の血液の配分が乱れ、脳への血液供給に不足を
生じさせます。そして中身の詰まった大きな臓器である肝臓が熱を持つ事で、
その熱の上昇は頭部に”のぼせ症状”を作ります(肝陽上亢)。これは脳の熱のこ
もりの一因になります。

さらに胆嚢も熱を持ち腫れる事で、袋の収縮が出来なくなり、胆汁の分泌に支
障をきたします。苦い胆汁の分泌不足は、血液の熱を冷ます作用を失い、熱
変性による血液の連鎖を生じさせます。このドロドロベトベトの血液は、全身や
脳の毛細血管内に血流の停滞や詰まりを生起させます。全身の毛細血管の
流れの停滞は脳への血流を遅くし、脳への虚血を引き起こします。また脳の
毛細血管の流れの停滞や詰まりを流す対応として、脳圧を高める事で毛細血
管を圧迫し流そうとします。

以上の持続は脳の血液不足を慢性化し、少ない血液を早く流す対応として脳
圧の上昇を余儀なくさせるのです。前述した毛細血管内の停滞や詰まりを流す
対応と相まって脳圧の上昇の持続は脳に熱の発生をもたらし、上記ののぼせ
症状も加わり、脳や脳幹に熱をこもらせていったのです。この熱のこもりを冷ま
す対応として副鼻腔に水を溜めることにつながったのです。

以上が春先から春にかけて副鼻腔炎が発生する理由になります。花粉症の発
生は、このように時期的な副鼻腔炎の多発が背景に存在して、その関連の中
から発症しているのです。当然局所的な問題だけではなく、詳述してあります
ように、自己の生命力や免疫力の低下が必ず背景に存在します。両者が相ま
って春という季節との関連の中から発症するという根拠と機序を知って頂きた
いと思います。副鼻腔炎と花粉症との関係は以上となります。

副鼻腔炎はこのような根拠と機序を持って起こっています。必要な対応として
起こしているので、これを薬で封じ込めたり、手術で取り去る事はしてはいけま
せん。これらの処置を行っても、止めればまた再発してしまいます。なぜならば
副鼻腔炎は、脳幹の熱を冷まし命を守る必要不可欠な対応だからです。

さらに抗生物質、消炎剤、鎮痛剤、ネブライザー療法(抗生物質の噴霧点鼻
療法)等を使用し、長期に及び封じ込めたり、手術を繰り返すと、体はさらなる
対応として、病や症状を益々内部に進行させ重篤化し、また薬の副作用も加わ
り、症状を複雑化していきます。次の対応として考えられる事は、脳内の熱の
処理が限界を超えると、脳全体に水を集める事になり水頭症へと進行します。
次には熱と毒素を一箇所に集めて棄てる対応として腫瘍(オデキ)を形成します。
これが脳腫瘍の始まりにつながっていきます。

病気の根拠と機序を知る事の重要性がここにあります。症状を封じ込めてしま
うとたかが副鼻腔炎ではなくなってしまうのです。それではどう対処すればよい
かは副鼻腔炎の根拠と機序の中から見えて来ます。水を溜める原因となる脳
と脳幹の熱を取り去る事が必要になります。そのためには脳や脳幹の熱の発
生の原因を解明しなければなりません。これは脳だけの問題ではなく、体全体
との関連もあり、精神的ストレスが大きく関わっています。

現代人はパソコンやスマートフォンの普及により、一世代前から比べると目と頭
の酷使が尋常ではありません。これは目と脳を疲労させ脳に熱を発生させる一因
となります。これらの目の疲労と頭脳疲労による熱は、大脳の新皮質にこもります。
脳への熱のこもりの最大の要因は、精神的ストレスの持続になります。精神的
ストレスの持続は、常に 気になる事として昼夜を問わず、脳を働かせ刺激を
送り続けます。この精神疲労の持続は、脳の中心部に位置する大脳旧皮質
(脳幹部)に熱をこもらせていきます。こうして大脳と脳幹部の両方に熱がこも
って行くのです。

さらに全身の血液の循環、配分、質の乱れから、脳への血液の供給が不足す
ると、少ない血液を脳全体に早く巡らせる必要性から、脳圧を上昇させてこれ
に対応します。この脳圧の上昇の持続が、脳内に熱を発生させます。
以上の心身両面からの要因により大脳と脳幹部に熱が発生し、こもっていき
ます。前述してありますように、脳幹部の熱のこもりは生命活動に大きく影響し、
これを守る対応が副鼻腔炎の発生につながっているのです。

脳内や脳幹部の熱の発生と蓄積の根拠と機序がわかっていけば、どう対処
すれば良いかが見えて来ます。目や脳の疲労を軽減し、精神的ストレスの持
続からくる脳幹部への熱の蓄積を最小限に抑え、全身の血液の循環、配分、
質の乱れを整える事が必要になります。また直接的には副鼻腔の炎症を軽
減する方法も必要です。さらに脳や脳幹部に熱がこもる状況は短期間での事で
はなく、長期に渡る心身の疲労蓄積があります。この蓄積は当然、全体的な
生命力や免疫力の低下をもたらします。これらは全ての病気や症状の根源的
要因となります。生命力や免疫力を高めることが根治と再発防止のためには
必要です。また生活習慣の見直しも大事です。

日本伝承医学の治療法は、免疫力と生命力を高めるための大きな手助けと
なります。生命力とは細胞新生力に置き換えられ、免疫力とは造血力に置き
換えられます。細胞新生と造血は共に人体の骨髄が担っています。
生命力と免疫力を高めるには、骨髄機能を発現させる事で合理的に行なえます。
また脳の血液不足の要因となる全身の血液の循環、配分、質の乱れの調整
は、これらに一番関与する肝臓(胆嚢を含む)と心臓の機能を上げる事で調整
出来ます。

日本伝承医学の治療法は、骨髄機能を発現させることを目的とし構築されて
います。内臓的には肝心要と言われるように肝臓と心臓を中心に技術が構築さ
れています。生命力や免疫力を高め、全身の血液の循環、配分、質の調整に
適している治療技術になります。また家庭療法として推奨する頭と肝臓の氷冷
却方法は、脳と脳幹部の熱のこもりを除去し、肝臓(胆嚢を含む)の腫れと熱も軽
減します。肝臓の充血が取り除かれる事で全身の血液の配分を正します。また
胆嚢の腫れが除去される事で胆嚢 の収縮を促し、苦い胆汁の分泌が血液の
熱を冷まし赤血球の連鎖を剥がし、毛細血管の流れの停滞を改善します。
これらにより脳への血液供給を改善出来るのです。

副鼻腔炎の直接的な処置は、後頭部と両首を冷却し、副鼻腔が分布する顔面
の眉間部、鼻の横、額を、氷を当てて気持ち良い箇所を探し冷却します。これ
により脳内全体の熱のこもりと副鼻腔内の炎症を軽減し、鼻づまり、頭の重さ、
呼吸等を楽にします。

前述してありますように、パソコンやスマートフォンの長時間の使用やテレビ、
ゲーム機の視聴は目と脳を疲労させ、大脳へ熱をこもらせます。仕事上でのパ
ソコンの使用を制限する事はなかなか難しいですが、個人の機器に於いては減
らす努力は必然となります。ましてや副鼻腔炎を罹患している人は脳への刺激は
極力控えていかなければなりません。目や脳の疲労回復と軽減の方法として、1日
に何回か目を閉じる時間を設ける事です。目を閉じて光を遮断し目と脳を休め
るのです。静かに目を閉じていますと、ジワッと涙が溢れて来ます。涙が出る事
で眼球に酸素を供給し回復を助けてくれるのです。疲労の強い人は涙が出にく
いのですが、続ける事で出て来ます。また遠くを見たり、緑の物を見たり、星や
月を見ることも大事です。このような対処法により、回復していくことができます。
副鼻腔内に水を溜める必要が無くなり、目や鼻の粘膜の免疫力も回復できるの
です。花粉症の改善にも副鼻腔炎の改善は不可欠となります。

 

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