脳梗塞

人の体のナゼとワケ~脳梗塞の本質         2015.4.4 有本 政治

人の体のナゼとワケと題して、日本伝承医学の視点で、病気や症状を捉え直して
解説しています。日本伝承医学の疾病観は、病気や症状を”正”の対応として捉え、
病の根拠と機序を明らかにしています。現代医学一辺倒の時代にあって、これか
らの時代は本当の意味での「セカンドオピニオン」が必要だと私は考えています。

現代医学の病気の捉え方は、体に表れる症状は、一方的に”悪”や”負”と捉えられて
います。しかしこの悪という考え方は、自然界を貫く法則や物事の法則に照らし合
わせて考えてみると不自然なことです。なぜなら自然界や物事に”表と裏””正と負”
“善と悪”が存在するのは、「真理」であるからです。しかし残念ながら医学の世界
のみ、この真理が何処かに置き去りにされ、忘れ去られてしまっているのです。

病気や症状を一方的に悪い反応として捉えてしまうと、単に症状だけを取り去った
り、封じ込めたりする事だけに終始してしまうことになります。実はこれが病気や
症状をより重篤にしていくという事実に、まだ誰も気付いていないのです。病気
や症状が正の対応だという認識をもっていくと、自分の病気や症状を捉え直すきっ
かけになり、不安感もなくなり、対処法も変わっていくのです。

では脳梗塞を正の対応という視点で以下解説してみます。その前にまず現代医学の
捉え方と治療法を説明します。脳梗塞とは、脳の血管が細くなったり、血管に血栓
(血の固まり)が詰まったりして、脳に充分な酸素や栄養が送られなくなる為に、脳
の細胞が障害を受ける病気になります。脳梗塞は、詰まる血管の太さやその詰まり
方によって3つのタイプに分けられます。症状やその程度は障害を受けた脳の場所
と範囲によって異なります。

⑴ラクナ梗塞ーー脳の細い血管が詰まって起こる脳梗塞(小梗塞)
脳に入った太い血管は、次第に細い血管へと枝分かれしていきます。この細い血管
が狭くなり、詰まるのがラクナ梗塞です。日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、
主に高血圧によって起こります。軽い言語障害や手足のしびれ、麻痺等が生じます。
物忘れや認知症のような症状が出ることもあります。ラクナとは「小さなくぼみ」
という意味です。

⑵アテローム血栓性脳梗塞ーー脳や首の太い血管が詰まって起こる脳梗塞(中梗塞)
動脈硬化(アテローム硬化)で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まるタイ
プの脳梗塞です。動脈硬化を発症させる高血圧、高脂血症、糖尿病等が主因です。
動脈硬化とは、一般的に粥状(じゅくじょう)動脈硬化のことをさします。コレス
テロールや脂肪が、お粥(おかゆ)のような柔らかい沈着物となってたまっていき、
内膜が厚くなり、血管にコブ(プラーク、粥腫)ができていきます。

⑶心原性脳塞栓症ーー脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞(大梗塞)
心房細動、心筋梗塞、心臓弁膜症等のために心臓に血栓ができ、その血栓が血流に
のって脳まで運ばれて、脳の太い血管を詰まらていきます。

治療法は症状を抑える薬物療法が主体になり、緊急の場合は外科手術になります。
治療薬は脳のむくみをとる抗脳浮腫薬、血栓を溶かす薬、血小板を分解する抗血小
板薬、抗凝固剤等が使われます。これらの処置は、約45%には効果があると報告さ
れています。ただ血栓を溶かす薬の使用は、脳溢血の際の止血効果を低下させる危険
も併せ持っています。再発も多く、もっと重度になったり、長期間の薬の服用は、認
知症をまねいてしまう場合もあります。以上が現代医学的な見解となります。

ここからは日本伝承医学の疾病観に基づいて脳梗塞を考察していきます。日本伝承
医学の疾病観は前述してありますように、体に起こる症状を正の対応として捉え、
最後の最後まで命を守る対応を幾重にも備えているという視点で、その根拠と機序
を解明しています。しかし脳梗塞に関してはそれが当てはまらない場合もあります。
特にクモ膜下出血、副大動脈破裂、心臓発作等のように、突然発生しそのまま死に
至ってしまう場合もあります。未然に防ぐためには、頭痛や体の違和感等、その前に
表れてくるささいな兆候を見逃さないように、気をつけていくことです。特に睡眠
や食生活には気をつけて生活していくことが大事です。

日本伝承医学が提唱する、病気や症状の全てが正の対応で命を守るのならば、死は
存在しないという事になります。しかし人にはそれぞれ生まれ持った寿命というもの
があります。日本伝承医学の治療を受けているから絶対死なないのではなく、自分
が与えられている寿命を、最後まで全うすることができる医学が、日本伝承医学だと
いう認識をもってください。病気や症状を一方的に悪いものとみなし、封じ込めて
しまうと、知らぬ間に本来の寿命を縮めてしまうことになるのです。

命を維持する上で、最重要な物質は”血液”であります。命の源である血液が、体の
隅々まで流れる事で生命が営まれています。つまり全身の血液の循環、配分、質を
維持する事が命を守る上で大切になります。故に生きている体は、この全身の血液
の循環、配分、質を守る機構を幾重にも完璧に備えているのです。

結論的に言えば、その最終段階の対応が、細い血管を詰まらせてでも、主要な血管の
流れを確保し、命をつなぐという脳梗塞の対応になるのです。前述したラクナ梗塞が
これに当てはまります。

脳内はまるで細い糸を大量に丸めたように、毛細血管で埋め尽くされています。
正に毛細血管の”海”と表現されるような存在です。脳のMRI画像を撮ると、その
毛細血管の多くの箇所に血栓が詰まった脳梗塞像が写っています。しかし本人には
自覚症状が感じられません。医学界ではこれを、無症候性の多発性脳梗塞と言いま
す。脳梗塞とは、脳の血管が詰まって、酸素や栄養が行き渡らなくなって障害や壊死
を起こすと定義しています。しかし無症候性の多発性脳梗塞はこの理論にあてはまり
ません。大きな矛盾が生じるのですが、説明が出来ないのが現状です。それは現代医
学においては、正の対応という視点を持たないからなのです。

毛細血管の詰まりは、必要な対応として発生しています。支線に当たる細い血管の
流れに血栓を置く事で流入を調整し、主要な太い血管の流れを確保する事で、脳の
機能を守っているのです。道路網に置き換えて説明してみます。

主要幹線道路である東名高速道路と名神高速道路は、東京と大阪を結ぶ最重要な道路
です。この区間が動かなくなると日本の経済に大きな影響が生じます。この区間に
渋滞が生じた場合、この道路に流入する支線の道路を遮断しないと、益々大渋滞が
起きてしまいます。支線の流れを止める事で主要な幹線の流れを確保する必要がある
のです。私たちの体は、毛細血管を詰まらせることで、これと同じ対応をとっている
訳です。正にこうした人智を超えた対応をとる事で、命を守ってくれています。さらに
この対応で処置できない場合は次の対応と幾重にも備えて私達の命を繋いでいるのです。

これがラクナ梗塞の本質であります。故にこの毛細血管の詰まりを薬で溶かしたり、
凝固を阻止したりしてしまうと、脳の主要な血管の流れが停滞していき、脳の機能を
維持出来なくなっていきます。そして遂には、脳圧の上昇を一気に強める事で、脳溢
血やクモ膜下出血等をまねいていくのです。

全身及び脳の血液の循環、配分、質を守る対応のひとつとして梗塞(詰まり)を取り
上げましたが、私たちの体は、ここまでするのかというように、幾重にも元に戻す
手段を備えているのです。以下その対応の段階的手段を解説します。

⑴心拍数を上げるーーー心臓のポンプ力を高める事で血液の循環を促進する。
⑵血圧を上昇させるーーー血液を流す力を高める事で血液の循環を促進する。
⑶血管を拡張したり収縮させる。ーーー大量の血液を流す必要がある時は血管を太
くし、速く流す必要がある時は血管を細くする。
⑷動脈を固く(硬化)するーーー柔らかい血管は中の血液の流れに抵抗が生じて速く
流れない。故に、早く新鮮な血液が必要になった場合には血管を固く(ガラス管化)
する事で、流れの抵抗を減らし速く流すようにする。(動脈硬化の本質)
⑸血管の中に狭い箇所を作る。ーーー血管を拡張したり収縮する作用が低下すると、
血管内の流れを調節するために、わざとプラーク(粥状の血管内膜にたまったコブ)
を貯めて血管を細くし、その箇所の流れを速くする事で血液の流量と流れの速さを
調整する。
⑹脳内の血液を速く流すために脳圧を上昇させる。ーーー脳への血液供給が低下し
脳が虚血になると、少ない血液を早く脳内に巡らせるために脳圧を上げる。
⑺脳の毛細血管を詰まらせるーーー主要な血管の流れを確保する。
以上が代表的な対応ですが、内臓との関連が加われば更に複雑に対応し、次々と幾重
にも命を守る手段を発揮します。

上記の段階的な対応の中で、現代医学が脳梗塞の原因として挙げている動脈硬化と
血管内の血栓は、体の必要な対応になります。脳梗塞の分類の中のアテローム血栓性
脳梗塞と心原性脳塞栓症の原因となっている動脈硬化と心臓の血栓は、原因ではなく
結果として発生しているものという認識が必要です。本来は必要な対応を全て悪い反
応として捉え、動脈硬化を軟らかくし、血圧を下げ、血管内の血栓を溶かす処置を取
ったが故に、血栓が剥がれ易くなり、その結果、脳や首の動脈を塞ぐ要因となるのです。

以上が日本伝承医学の疾病観に基づいた正の対応としての脳梗塞の本質になります。
脳梗塞の本質は脳内や動脈硬化、心臓疾患の問題だけではなく、全身的な血液の循環、
配分、質の乱れが直接的な要因として挙げられるのです。脳梗塞の症状は全身の血液
の循環、配分、質を守る対応として発生しています。血液は命の源で、これは最後の
最後まで守り抜かねばなりません。さらに症状の根源には、その人自身の生命力や免
疫力の低下が背景に存在します。脳梗塞の改善と予防には、その背景にある生命力と
免疫力の低下を高め、全身の血液の循環、配分、質の乱れを元に戻す事が不可欠にな
ります。

そのためには全身の血液の循環、配分、質の乱れは何によって起っているのかを明確
に知る必要があります。これを元に戻せば上記の7つの対応をとる必要がなくなり、
脳梗塞の改善と予防に繋がるからです。

血液の循環に大きく関与するのは心臓になります。心臓のポンプ力が低下すると、
全身にくまなく充分な血液を流す事が出来ません。特に立位においては、心臓より上
部に位置する脳に血液を上げる力が低下します。そして脳に血液の供給不足を生起さ
せます。

全身の血液の配分に関与するのは肝臓になります。肝臓は中身の詰まった血を固めた
ような大きな臓器になります。正に血を固めたという表現がぴったりで、通常でもこ
こに大量の血液が集まり蓄えられるのです。肝臓は精神的ストレスの影響を一番反映
する臓器で、精神的ストレスの蓄積と共に機能が低下していきます。臓器が機能低下
しますと、これを回復させる対応として肝臓に大量の血液を集め、さらに熱を発生さ
せます。中身の詰まった最大の臓器である肝臓に大量の血液が導入される事は、当然
全身の血液の配分を乱す最大要因となり、脳への血液供給を低下させていきます。

血管の質に関与するのは肝臓に内包されている胆嚢(たんのう)になります。胆嚢は
肝臓で作られた胆汁を濃縮して貯める袋で、収縮する事で胆汁を放出させます。この
極めて苦い成分である胆汁は、消化酵素の働きを活発にして、脂肪の消化吸収や大便
の生成に関わります。しかしその最大の作用は、苦い成分による体内の炎症の鎮静と
血液の熱を冷ます働きです。この胆汁によって血液の熱が調整されているのです。

この胆嚢は肝臓と同様に精神的ストレスの影響を受ける臓器になります。”肝胆相照
らす”(かんたんあいてらす)という言葉通り、肝臓と一体となって働きます。元に戻す
対応としての肝臓の充血と熱は、同時に胆嚢をも腫らし熱を発生させます。胆嚢とい
う袋が腫れてしまうと、袋を収縮する事が出来なくなります。これが胆汁の分泌不
足を引き起こしてしまうのです。

胆汁の分泌不足は前述してありますように、血液の熱を冷ます事が出来ず、血液の
熱変性により、赤血球のくっ付き(連鎖)を生起させるのです。これがベトベト、ドロ
ドロ血液の原因になります。赤血球の連鎖は毛細血管の内径よりも大きくなり、全身
及び脳内の毛細血管の流れを著しく停滞させたり詰まりを引き起こすのです。毛細
血管の流れの停滞は、当然全身の血液の流れを遅くし、脳に血液の供給不足を起こし
ます。

以上が全身の血液の循環、配分、質の乱れを生起させる理由になります。要約すると
全身の血液の循環、配分、質は肝臓(胆嚢を含む)と心臓がその全てに関わっていると
いうことです。肝臓と心臓、つまりは”肝心要”とはこのことだったのです。全身の血
液の循環、配分、質を整えるのは肝臓(胆嚢を含む)と心臓の機能を元に戻す事で可能
となります。

さらに全ての病の根源に存在する生命力と免疫力の向上も合わせて取り組む事が必要
です。生命力や免疫力という表現は抽象的で分かりにくいものです。具体的には生命
力とは「細胞新生力」に置き換えられます。免疫力とは白血球を主体とした血液であ
り、「造血力」に相当します。
細胞新生と造血は共に人体の”骨髄”で行われています。つまり骨髄機能を発現させ
ていく事が生命力と免疫力を高めるのに必要となります。

骨髄機能を発現し、肝臓と心臓機能の回復に適しているのが日本伝承医学の治療法に
なります。日本伝承医学の治療技術は、骨髄機能を発現する目的で構築されており、
肝臓と心臓機能を高めることに主体をおいています。目的に合致した合理的な治療法
となります。

また家庭療法として推奨している頭と肝臓の氷冷却法は、長い間に無意識に発生させ
た脳内の熱のこもりを徐々に取り、脳圧も一定に保ちます。肝臓冷却法は肝臓と胆嚢
の両方に作用し、充血と腫れを取り除くのに有効となります。日本伝承医学では、
このような合理的な処置と統合的な取り組みで、脳梗塞の改善と予防に努めています。

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