舌がん

人の体のナゼとワケ~舌疾患(舌炎、潰瘍性舌炎)の本質 2015.5.8 有本 政治

生物として生まれて、生きとし生けるものは、自らの体をより悪くなる方向に向
かわせたり、命を縮めたり、死を早める方向に導いていく事はありません。最後
の最後まで体を修復させようと対応し、命を守り抜くように、生へのプログラム
が幾重にも施されています。この生命観を基軸にして、病気や症状を、正の対応
という視点から捉え直したのが日本伝承医学の疾病観になります。病気には意
味があります。その意味とは、命を守るために、一時的に必要な対応をとってい
るのです。ただその対応は、一時的に苦痛や不都合を伴うことが多くあります。
しかしその病気や症状の根拠と機序を知り、正しい処置を選択する事が大切で
す。選択を間違えてしまうと、症状をより重篤にさせ、命を縮める事にもなりかね
ないのです。以上の観点から舌疾患(舌炎)の本質を解説します。

まず現代医学の所見と治療法をみていきます。
舌炎とは、舌の炎症の総称でありますが、他の口腔粘膜(口内炎)にも同時に炎
症が見られる事が多くあります。原因としては、局所的要因と全身的要因の
舌炎にわけられます。局所的要因とは、歯で噛んだり、歯の尖った部分で傷つけ
たり、熱い飲食物による火傷、化学的刺激、食べ物による刺激等が引き金にな
り、軽い炎症を起こす事から始まります。こうした直後は舌粘膜は赤くなり、灼熱
感やピリピリした痛みや食べ物がしみるといった症状が発症しますが、刺激が続
くと、びらんや潰瘍に移行し二次感染を起こします。

次に全身的要因とは、ウイルス性疾患、悪性貧血、ビタミンB2やB12の欠乏、胃
腸病等が挙げられています。症状と種類は、舌の粘膜が赤くなって腫れと痛みが
起こるカタル性舌炎、舌尖に疼痛を伴う黄白色の小粘膜疹を持つアフタ性舌炎、
潰瘍を持つ潰瘍性舌炎、舌の内部奥深くの実質に重度な炎症が生じる実質性
舌炎などがあります。痛みの程度は様々ですが、潰瘍や炎症が深部に及ぶと、
激しい痛みを伴い、高熱が出たり、微熱が続く場合もあります。時には真菌の感
染による、舌真菌症、梅毒性舌炎、舌結核なども見うけられます。

原因疾患のはっきりしているものに対しては、それらの治療を施します。
ただ原因不明のものが多く、著効を示す治療法は無く、症状を抑える対症療法が
主体になります。カタル性舌炎、アフタ性舌炎、潰瘍性舌炎等は、うがいと副腎皮質
等にはホルモンを含んだ軟膏を病変部に塗る方法がとられます。ステロイド剤は
炎症を抑える作用が極めて高く、短時間で炎症と痛みを封じ込めます。その反面
免疫抑制作用があり、体の免疫力を著しく低下させます。実質性舌炎のように炎
症が激しければ、抗生物質の内服も処方されます。しかし薬を止めればまた再発を
繰り返し、舌の裏や咽頭部にも病変が及んでしまう場合があります。またステロイ
ド剤や抗生物質の長期の使用は副作用を生じ、免疫力を大幅に落とします。特
に骨髄の造血力に影響し、これにより生命力や免疫力が低下し、様々な重篤な
疾患(腫瘍やがん)や感染症を引き起こす結果になる場合があります。舌に出る症
状は、封じ込める処置をしてしまうと、重篤化し、命を落とすことにもなりかねない
ということを知って頂きたいと思います。

次に日本伝承医学の観点に立って、その根拠と機序を述べ、その本質を解説し
ていきます。体の起こす事には全て意味があります。その意味とは、何かを元に
戻し、命を守るために必要な対応をとるのです。舌の炎症や舌に表れる症状は全
て、心臓にこもった熱を、通常の手段ですてられなくなったため、熱を外部に排出
しているために起こしています。心臓に熱がこもると、心筋炎や心膜炎を起こし、
命に危険が及ぶため、これを回避する対応として舌に症状を起こしているのです。
東洋医学では、「心は舌に開竅する」(しんはぜつにかいきょうする)と言い、心臓
が弱り、機能低下したときには、舌に症状が表れてくるのです。このように心臓と
舌は密接な関係にあります。舌診(ぜっしん)と言い、体調を診る時には、舌を診
断箇所として使用していきます。

体の熱をすてる手段として、例を挙げてみます。犬が夏や散歩の後に、体の熱
をすてるために、口を大きく開けて、舌を出しながら、ハァハァ呼吸している
姿がみられます。これは犬には人間のような汗腺がなく(猫には汗腺があります)、
汗をかいて、体表から熱を放出し、体温調節ができないからです。犬は体内
の熱を速い呼気と舌で、呼気と舌の気化熱を使い、体外にすてる事で体温調整
をしているのです。特に心臓の熱がこもってしまうと命に危険が及ぶので犬は天
然に命を守る対応をしているのです。舌には味覚を感じたり、嚥下作用で物を飲
み込む作用のほかにも、こうした舌の気化熱による熱をすてる働きもあるのです。

次にどのように対処すれば、舌の疾患を改善に向かわせる事が出来るかを説明
していきます。そのためにまず舌炎の機序を説明します。舌の炎症の発生の機
序は、通常の手段で処理出来なくなった心臓の熱のこもりをすてる対応として起
こっています。つまり心臓の熱のこもりが起きないように、心臓の機能を元に戻
す事が根本的な解決として必要になります。心臓機能が正常になれば、舌に炎
症を起こして熱をすてる必要がなくなるからです。

そのためにはどうして心臓に熱が発生し、熱の蓄積が起こるのかを解明する必要
があります。特に心臓は、生まれてから死の瞬間まで、一時も休む事なく動き続け
る臓器になります。生きる死ぬに、肺と共に大きく関わる臓器です。まず問題なの
は、生命に直結した臓器に弱りと機能低下が生じているという事です。 心臓と肺は、
一体的に作動し、心臓のみではなく心肺(しんぱい)機能として一緒に捉えます。
これは誰にでも起こるわけではありません。心肺機能の弱さは遺伝的に受け継い
だ体質が大きく影響します。両親や祖父母に心肺機能が弱い人がいた場合に起
こりやすいのです。

この先天的な体質を背景に、後天的な生活習慣の乱れや精神的ストレスの持続、
過労や心労が、時間の経過の中で、発症していきます。全身の血液の循環、配
分、質(赤血球の連鎖によるドロドロベタベタ状態を指す)に乱れを生じ、徐々に
心臓や肺に負担をかけていくのです。

遺伝的に弱い箇所に機能低下が起きる要因は、その人自身に生命力と免疫力
の低下がみられます。そうした場合、遺伝的に弱い箇所に影響が及び、症状とし
て表れてくるのです。これが心肺機能の低下の第一の要因になります。
第二の要因としては、生活習慣の乱れと精神的ストレスの持続による全身の血液
の循環、配分、質の乱れが挙げられます。生活習慣的な要素は自己責任ですから
各自が見つめ直す必要があります。問題は精神的ストレスの持続になります。これ
が体にどう影響するか以下簡潔に解説します。(詳細は院長の日記の中の、精神
的ストレスの体への影響を参照してください)

精神的ストレスの持続は、まず脳を疲労させ、脳に熱のこもりと脳圧の上昇をも
たらします。次に脳内の神経伝達物質や脳内ホルモンの多くを生産、その分解を
司る肝臓の機能をも低下させます。通常でも脳は常に新鮮な血液を大量に消費
する所です。これを補うためには、より血液供給を活発にする必要に迫られます。
この状態の持続は、血液循環のポンプに当たる心臓に大きな負担をかけ、徐々
に心臓機能の低下をもたらします。

肝臓機能の低下は、これを元に戻す対応として、肝臓に大量の血液を導入して
回復を図ろうとします。また熱も発生させます。血の塊のような大きな臓器である
肝臓に大量の血液が集まると、全身の血液の配分を大きく乱すことになります。
配分が乱れるということは、脳への血液供給をさらに不足させ、少ない血液を早く
脳に送りこもうと心臓に負担をかけます。また肝臓機能の低下は、同時に内包す
る胆嚢の機能にも影響します。体は胆嚢の機能を元に戻す対応として、胆嚢に炎
症を起こし熱を発生させる事で機能回復を図ります。これは胆嚢に腫れを生起し、
胆嚢という袋が腫れる事で、袋の収縮が出来なくなります。これは胆汁の分泌を
著しく低下させる要因となるのです。

胆汁の分泌不足は、その苦い成分による血液の熱を冷ます働きを落とします。血
液が熱を帯びると、熱変性により赤血球の連鎖(ドロドロベタベタ状態)が発生しま
す。赤血球の連鎖により一個一個の塊が、毛細血管の内径よりも大きくなる事で、
全身の毛細血管の流れが停滞したり、詰まらせる要因となるのです。
これを回避する対応として、心臓のポンプ力を高めて流そうとします。これがさら
に心臓に負担をかける事になるのです。

以上が心臓に大きな負担を生じさせる要因になります。遺伝的な弱さを持ってい
る上に、心臓が過度に働かされるという事は、その持続により心臓に熱が発生し、
熱の蓄積を生起させたのです。これが心臓の熱のこもりの根拠と機序になります。
熱を排出する手段でまず唇の端に出来る皮膚病(口角炎)として、皮膚に穴を開
けます。これだけではすてきれなくなった場合に、次なる対応として舌に炎症や
潰瘍を作っていきます。これが舌炎の本質になります。この熱を通常の手段で
処理出来なくなった場合に、体がとる対応が舌に炎症や潰瘍を作り、熱をすて
て心筋炎や心膜炎を防ぎ、命を守るのが、舌疾患の本質であったのです。
このように舌疾患の本質と根拠と機序が明らかになると、どのように対処すれば
改善に導けるかが見えてきます。それは舌疾患の根拠と機序の中に見い出す
事が出来ます。

病の背景にある自身の生命力や免疫力を引き上げ、直接的な要因となっている
全身の血液の循環、配分、質の乱れを正し、心臓の熱のこもりを除去する事です。
これに関わるのが内臓の”肝心要”に相当する肝臓、胆嚢と心臓になります。
つまり、生命力や免疫力を高め、肝臓(胆のう)と心臓を治療する事になります。
この点に主眼を置いているのが日本伝承医学の治療法になります。
生命力とは細胞新生力に置き換えられ、免疫力とは造血力になります。細胞新
生と造血は共に人体の骨髄で行われています。日本伝承医学の治療で骨髄機
能を発現させ、生命力と免疫力を高めていきます。

日本伝承医学の治療法は、骨髄機能を発現させる事を目的に構築されています。
また内臓的には、肝臓と胆嚢、心臓の調整が中心に技術が組まれています。
さらに家庭療法として推奨する頭と肝臓の氷冷却法は脳内の熱のこもりと脳圧
の上昇を抑え、肝臓の充血と熱の除去に役立ちます。また合わせて額と首を冷
却していく事で、心肺機能の向上も促します。氷の粒を直接口に含み口内の熱を
とっていくことも直接的に痛みと炎症を鎮める方法になります。溶けた水は飲み込
まないで吐き出すようにしてください。舌疾患の本質をこのように捉え直し、誤った
対処法を選択しないように願います。

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