手首の痛みと左利きについて

  • HOME »
  • 手首の痛みと左利きについて

手首の痛みと運動障害の考察 2015.12.15 有本政治

<手首の痛みは、外傷的に打ったり、ひねったり、転倒が無くても発生する>

手首を打撲したり、転倒して手を着きひねったりという、いわゆる外傷的な要因で手
首が痛くなったり、動かなくなるのはよくある事です。しかし外傷的な要因は無くても
手首の痛みは起こります。
一番顕著な例として、突発的な手首の痛みがあります。ピアニストの方がリサイタル
等の当日の朝、突然手首が動かなくなったり、痛みが起こったりします。前日まで何
事も無く練習できていたのに突然痛みが発生するのです。似たような例が足の踵
(かかと)にも発生します。前日まで何もなかったのに、朝起きると踵が着けない程の
痛みが起こるのです。(踵の痛みの詳細は、HP院長の日記、箱根駅伝の項を参照)
一見信じ難い様に思われますが、体は時に人智を超えた反応を示します。よく心労
の極地で一夜にして髪の毛が白髪になるという事を耳にしますが、事実として起こ
っています。このように精神的な要因が肉体に及ぼす影響は想像を超えています。

一例として突発性難聴を挙げてみます。これは突然に耳が聴こえなくなる病気です。
現代医学的には原因不明とされています。この原因を探るには、視点を変えた正の
対応としての捉え方が必要です。正の対応とは、これ以上脳への刺激を受けたくな
い状況に置かれた場合、わざと聴こえなくする事で、脳への刺激を遮断し、脳圧の
上昇を防ぎ、脳血管の破裂を防ごうとする対応を言います。この例からわかるように
体の示す反応は意味をもっています。突発性難聴が正の対応のように、突然に手
首を固着させたり、痛みで動かなくさせる事にも当然意味があるのです。

手首の痛みや運動制限は、関節リウマチや痛風、偽痛風といった、血液の質の低
下からくる血液疾患からも発生します。また近年女性に多く見られる親指の付け根
の関節の変形性関節症も、手首の動きと連動して、手首にも痛みが生じます。
いずれも血液の質に関わる問題であり、血液の質が低下するということは生命力や
免疫力が低下し、重大な病に発展する可能性が高くなっているということになります。
故に、単に一つの関節が障害や痛みをもったという認識では済まされないのです。
特に人間にとって手の関節は、巧緻な動きを作り出し、生きていくためには重要な
働きをする関節です。大事な関節に障害が起きたという事は体の警告サインで、深
い理由が存在するのです。

<外傷的な要因がなくて起こる手首の故障は、体の警告サインであり、意味をもっ
た対応である>

外傷的な要因がなくても手首の痛みは起こります。当初患者さんは、打ったり、ひね
った覚えが無いのに手首が痛いのを疑問に感じて、何かしらの外傷的な原因を探り
がちです。整形外科の診断で、使い過ぎによる腱鞘炎(けんしょうえん)という診断を
受けて、それほど重要視しないで、冷湿布を使用して処置する事がほとんどです。
しかし、外傷的な要因がなくて起こる手首の痛みや腫れ、運動障害は、実は体の重
大な警告サインであり、血液の質の低下の表れなのです。体の起こす反応は必ず
意味があって発生させます。それは体をより悪くなるように、また早く死ぬように症状
を発生させているのではありません。反対に手首を固着させたり、痛みと運動障害
を起こす事で、何かを守ろうとして対応しているのです。

<手首は、足と同様に第二の心臓として作用し、脳や心臓への血液供給のポンプ
の役割を果たしている>

足は第二の心臓といわれています。心臓は血液を押し出すポンプであり、心臓まで
吸い戻すポンプではありません。全身に噴出した血液は、静脈血として、また心臓ま
で還らなくてはなりません。そのためには、筋肉と関節が連動した筋肉関節ポンプ機
構が必要です。その主体となるのが下肢全体の筋肉関節ポンプ装置なのです。そ
の中でも、足関節と連動した下腿筋(ふくらはぎの筋肉)は重要です。そしてこれを
作動させるためには、歩行が最適になります。歩く事で、血液を一番効率良く心臓
まで還せるからです。
これと同様な作用が、上肢の手首の関節と筋肉群にあります。四つ足動物に例えれ
ば、当然うなずける問題です。手関節は、心臓や脳に血液を上げたり下げたりする
ポンプの役割を担っています。手が動かなくなるという事は、心臓や脳の血流に大き
な影響を及ぼしてしまうのです。

<右手と左手では作用が違うーーー日本の古代人が発見した左右手関節の働きの
違い>

日本伝承医学では、左右の手足の作用の違いを以下のように説明しています。体
を臍(へそ)の位置で上下に2分割し、体の正面で左右に2分割し、全体を4分割しま
す。その中で、対角上に右下肢と左上肢は、血液や体液、物を上にもち上げる作
用を付与し、逆に左下肢と対角の右上肢は、血液、体液、物を下げる作用をもつと
解明しています。
つまり右手は、血液、体液、物を下げる作用をもち、具体的には、心臓や脳の血液
を上肢の方に下げる働きをもたせています。左手は、逆に心臓や脳に血液を上げる
働きをもたせています。つまり右手を使うと、脳内の血液を下げ、心臓の血液を下肢
の方に下げ、左手を使う心臓や脳に血液を上げるということです。
これは日本の古代人の偉大な発見であり、見識の高さを示すものになります。この
左右の手の働きの違いが、人間の利き手となる右利きと左利きの謎を解明する大
きな手掛かりにもなります。また上記したピアニストの突発的な右手の固着や痛みの
発生原因を解き明かしてくれます。

<ピアニストの突発的な手首の固着や痛みは何故起きるのか>

体の示す反応には全て意味があります。これまでこのような視点で症状を捉えた
事が皆無だったために、原因を解明する事ができなかったのです。また症状は全
て悪いことという思い込みが、疑問すら抱かせなかったのです。

現在病気の種類は約2万種位あると言われています。その中で、原因がわかってい
るものは約1割しかないと言われています。つまりほとんどの病気は原因不明であり
ながら、ただ一方的に症状を封じ込める処置がとられているのが実態です。

ピアニストの突発的な手首の固着と痛みを正の対応の視点で捉え直してみます。
この場合の手首の障害はほとんどが右手に発生します。この原因を探る上で、問
題を解決する手掛かりは、日本の古代人が発見した右手の作用です。前項に解説
しましたように、右手には物を下げる作用があり、脳の血液を体幹の方に下げる
働きがあります。
これらの左右の手の作用の違いは、通常時においては、右手は物を下げ、左手は
物を上げる働きを付与させる事で血液の上げ下げを手助けし、血液循環をコント
ロールしています。特に脳内の血液の上げ下げを手助けしています。

人体の緊急時における人智を超えた対応は、これまでいくつかの例を挙げて強調
しておりますが、人体に備わった命を守るための対応には 驚かされます。脳内
の血液の循環を守るために、右手を動かなくさせ、血液を下げる作用を減退させる
事で、脳の血液が体幹の方に下がる事を防止しているのです。これが右手首が
突発的に固着したり痛みで動かなくさせる理由であったのです。
ピアニストがリサイタルの前日や当日の朝、突然に右手首の痛みや固着が起きる
理由はここにあるのです。既に例に挙げてる突然に起こる踵の痛みと共通する脳
の血液の循環を守る必要な対応だったのです。

<極度の精神的プレッシャーとストレスの持続が脳内の血液の循環を乱す>

右手の固着や痛みは脳内の血液の循環を守る対応として発生しています。それで
はどうして脳の血液の循環に乱れが生じるのでしょうか。それは精神的ストレスの
持続と極度のプレッシャーによります。ピアニストにとってコンクールやリサイタルは
強い精神的な緊張がかかる場でもあります。
精神的なストレスの持続とプレッシャーは、常に脳を刺激し、興奮させます。この状
態の持続は、脳内の血液を消費し、その中の脳の神経伝達物質や脳内ホルモンを
大量に消費させます。元々脳は人体中で血液の消費が多い場所で、常に新鮮な血
液の供給が必要になります。

脳に新鮮な血液が供給できている間は何も問題は起きませんが、遺伝的に心肺機
能の弱い体質の人は、徐々に血液のポンプ役を担う心臓に負担がかかってきます。
この状態が持続すると、心臓のポンプ機能に減退が起こり、脳に血液を供給する働
きが落ちてしまいます。脳に血液不足の状態が生起されるのです。また、脳の神経
伝達物質や脳内ホルモンの大量消費は、これらの物質を作り出し、分解する場所
である肝臓に大きな負担をかけていきます。これにより肝臓の機能が低下していき
ます。体は、肝臓の機能低下を元に戻す対応として、肝臓に大量の血液を集め、熱
をもたせます。これが一時的に、全身の血液の配分を大きく乱す最大の要因となる
のです。
この様に、心臓のポンプ力の低下は、全身の血液の循環を乱し、特に脳への血液
の供給を減退させ、さらに肝臓の充血は全身の血液の配分を乱します。この二つ
の事態が合わさる事で、脳への血液の供給が大きく影響を受けるのです。

<脳内の血液不足を守るためには、血液を下げる作用を抑える対応が必要、その
ためには右手を使えなくする>

上記の状態の持続は、脳内に血液不足を生起し、今ある血液を有効に活用する必
要に迫られるのです。そのための対応として、血液を体幹の方に下げる作用を抑
える事になったのです。

<右手の固着と痛みの根本的な原因と警告サインの意味>

そのための緊急処置が右手の動きを止めて血液の下降を食い止める対応となった
のです。つまり脳の血液を下げる働きを遅らせる必要が生じたのです。これが右手
の固着と痛みの発生の根本的な原因となります。
さらに重要な事は、外傷以外で右手の痛みや固着が生じた場合は、脳内に虚血(血
液不足)が生起されている警告サインであるのです。脳の虚血は、当然頭痛、めま
いも引き起こし、さらに脳圧の上昇をもたらし、脳梗塞、脳の血管障害の大きな要因
となるのです。この警告サインを見逃さず脳の虚血を改善することが求められます。
(詳細は院長の日記、頭痛、めまい、脳梗塞、脳腫瘍の項参照)。

以上の対応は左手には起きません。ちなみに突発的な踵の痛みは右足に発生しま
す。右足は血液を上にもち上げる作用があり、脳の虚血に対応して、脳に血液を
送る働きをします。それをさらに助けるために、踵に痛みを起こし踵を着かせないで
つま先歩きをさせて、足関節の関節ポンプと下腿(ふくらはぎ)の筋肉ポンプを作動を
より強力に作用させる事で、心臓までの血液の還しを補助し、脳への血液供給を助
けているのです。

<血液の質の低下が手首の痛みを引き起こすもう一つの要因となる>

外傷以外で発生する手首の痛みのもう一つの要因は、リウマチや偽痛風に起因し
ます。リウマチは、難病認定されていて、自己免疫疾患として定義されています。
偽痛風は正確には、関節液の成分の異常として扱われています。血液成分の尿酸
やピロリン酸カルシウムが原因物質として挙げられていますが、正確な原因は特定
されていないのが現状です。

リウマチや偽痛風は、人体の関節や筋肉に痛みと腫れ、運動障害、関節の固着を
起こします。これが手首に起こるのです。特に初期段階において手首に反応が最も
出やすくなります。これは前項同様に病気の警告サインとしての役割も果たします。
いずれにしても、リウマチや偽痛風は、血液の質の低下が原因であることは間違い
ありません。血液の質の低下は大変由々しき問題です。全ての病の直接的な要因
は、全身の血液の循環、配分、質の乱れが存在します。循環の乱れには心臓機能
の低下があり、配分の乱れには血の固まった様な臓器となる肝臓の充血が要因
にあります。全身の血液の循環配分の乱れが病気の大きな要因である事は間違い
ないのですが、もう一つの要因となる血液の質の低下は、より重篤な疾患に結びつ
いていきます。

血液の質の低下は体の免疫力を大きく落とします。そのために、休眠しているがん
細胞を原発させやすくしたり、各種感染症、再生不良性貧血、リウマチ、膠原病と
いった難病の根源的な要因にもなりやすくなります。
このように、手首の痛みや運動障害は、重篤な病の初期症状として発生し、警告
サインとしての役割をもっているため、単に関節や筋肉といった運動系の疾患として
甘くみてはならないのです。

<血液の質の低下は、どういう根拠と機序で起こるのか>

血液の質の低下は徐々に進行します。血液の質の低下に一番関わるのが、肝臓と
胆嚢になります。肝臓は、胆汁の生成、エネルギー物質としてのブドウ糖をグリコー
ゲンに変えて貯蔵と流通をコントロールし、有害物質のアンモニアを分解して尿素に
変え、体の毒素の分解を行なう重要な場所になります。肝臓の機能が低下するという
事は、胆汁不足が生じ、人体エネルギーの生成が低下し、有害なアンモニアが体内
を巡り、その他の有害な毒素が増える事を意味します。つまり有害な物質が血液中
に蓄積され、血液の質が悪くなる最大の要因として働くことになるのです。

また胆嚢が機能低下すると、胆嚢の働きを元に戻す対応として、胆嚢に熱と腫れを
起こす事で機能回復を図ります。胆嚢の胆汁を分泌する方法は、胆嚢という袋が収
縮する事で、胆汁(たんじゅう)を噴出させる仕組みになっています。しかし袋が腫れ
てしまうと収縮力が弱り、胆汁の分泌が減退します。さらに肝臓機能の低下により、
胆汁の生成自体も落ちていきます。

胆汁の働きは、脂肪の分解吸収を助け、便を生成するという解釈が一般的ですが、
一番重要な作用は、苦い成分による体内の炎症の鎮静と血液の熱を冷ますという働
きになります。漢方薬がその苦い成分により炎症を抑制するのと同様の働きが胆汁
になります。漢方薬のこの作用を”苦寒薬”と呼びますが、胆汁は体内の苦寒薬、抗
炎症剤として重要な働きを担っているのです。

胆汁の分泌不足は、体内に炎症を起こし、様々な病気を発症させていきます。また
血液が熱を帯びると熱変性により、赤血球の変形や連鎖(ドロドロでベタベタな血液)
が生じるのです。赤血球の変形と連鎖は、血液としての働きを落とし、これが血液
の質の低下を招くのです。

このように血液の質の低下に一番関与するのが肝臓、胆嚢の機能低下になります。
血液の質の低下はこれに起因し、この状態の持続は、腎臓の濾過(ろか)再生機能
にも減退を及ぼし、さらに赤血球を分解する脾臓の働きをも落とします。これにより
濾過再生と分解されない古い血液(漢方の瘀血)が体内を巡り、血液の質を益々落
としていくのです。これが血液の質の低下の根拠と機序になります。

<右手首は肝臓、胆嚢の機能低下が関与し、左は心臓が関与する>

胆汁は生命維持にとって重要な働きを担っています。体は胆汁の分泌を守る対応
として、腫れて収縮力を減退させた胆嚢を体ごと絞り込む事で、胆汁の分泌を助け
るのです。胆嚢は乳頭直下の右の脇腹に存在します。そのため胆嚢を絞り込むた
めには、上体を左にねじり、右肩を前下方に巻き込む体勢をとるのです。
この体勢をとると、右上肢全体が内旋位をとることになります。右上腕骨、右肘、前
腕の橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)、手関節という流れで内旋されます。この体勢
では上体をねじって上肢全体もねじれたまま行動する事になります。これを補正す
るために、上肢の中間に位置する肘関節や手関節を外旋させる事で、バランスをと
っていくのです。

この状態の持続は、親指側の延長にある橈骨に外旋のストレスを常に与える事に
なります。これは肘関節にねじれの歪みと筋肉の緊張を生み、肘関節の痛みに進行
します(詳細は、院長の日記、テニス肘、野球肘の項参照)。さらにこれは手関節
にもねじれのゆがみを生起し、手首の屈曲伸展の動きにも影響をもたらすのは必然
です。
この状態は、時間の経過の中で、手首の動きを固くし、左手首の動きとは明らか
に差が生じるのです。そして様々な引き金により、手首の痛みを発症するのです。
右手首の痛みや運動障害は、必ずこの過程を経て起こっています。
様々な引き金とは、スポーツでの手首の酷使、パソコンのキーボードの打ちすぎ等が
あり、さらに、血液の質の低下と赤血球の連鎖による手首の関節や筋肉内の毛細血
管の詰まり等が要因となります。

左手首に関しては、右の逆パターンになります。左の場合は、心臓機能の低下を
補う対応として、心臓ポンプの収縮を助けるために、体ごと心臓を絞り込む体勢
をとります。これが上体の右ひねりと胸骨の突出、左肩の前下方への巻き込みを
作り出すのです。上体の右ねじれによる左上肢の内旋は、右と同様の機序をたど
り左肘や左手首にねじれのひずみを作り出します。これにより左手首の痛みと運
動障害が発生しているのです。

<手首の痛みや運動障害を改善に向かわせるには、どうしたら良いか>

外傷以外で発生する手首の痛みや運動障害の根拠と機序を、これまでに解説して
きました。発生の根拠と機序が明らかになれば、どう対処すれば良いかの答えは既
に示されています。

手首の痛みの根源的要因を要約すれば、全身の血液の循環、配分、質の乱れに起
因しています。そしてそれに関わっているのは、肝臓、胆嚢、心臓になります。つまり
”肝心要”(かんじんかなめ)の機能低下が背景に存在するのです。さらにそれを引き
起こすのは、精神的ストレスの持続と強いプレッシャーが根本的な原因となってい
ます。

既に解説してあります様に、手首を固着させたり、痛みで動かなくする事で、脳の虚
血や脳圧の上昇を回避し、命を守っているのです。また血液の質の低下と赤血球の
連鎖を知らせる警告サインとしての役割ももたせています。
故にこれを安易に捉えて、鎮静剤やステロイドホルモン等で痛みや腫れ、炎症を
封じ込めてはならないのです。生きている体の必要な対応を抑えては、命の危険
につながるのです。もちろん、薬で抑えても上記の根源的な要因が変わらない限り、
再発を繰り返していきます。そしてこういう処置を繰り返す事で、さらに重篤な状態へ
と移行してしまうのです。

これを回避し、回復に向かわせるには、手首だけをどう処置しても治癒には向いませ
ん。全身の血液の循環、配分、質を元に戻す全体調整と手首自体の局所療法の両
方からのアプローチが必要になります。肝心要となると肝胆と心臓の機能低下を元
に戻し、全身の血液の循環、配分、質の乱れを正し、脳の血液の供給を修復し、脳
圧を下げる事が不可欠になります。そして局所の手首の痛みや運動障害をとる治
療法を行ないます。また生活習慣の見直しも大切です(食事や睡眠時間、歩行、水
の摂取等)。

<上記の条件を満たすのが日本伝承医学の治療法>

日本伝承医学の治療法は、日本の古代人の骨への高い見識に基づいて構築され
ています。世界で唯一、骨髄機能を発現できる療法になります。骨髄機能を発現さ
せていく事で、骨髄のもつ”造血”と”細胞新生”を活発にし、低下した生命力や免疫
力を高めていきます。また肝心要を重要視し、肝胆の叩打法と心臓調整法で、肝臓
胆嚢、心臓機能を高めていきます。

日本伝承医学では「ゆり・ふり・たたき」と言った骨にひびきを与える技法を用います。
瞬時に体のねじれを修復する三指半操法を用いて、体のねじれと上肢のねじれをと
ります。大腿骨を叩く技法を用いて肝臓、胆嚢の熱と腫れを除去します。そして手首
の操法は、直接手首には触れず、古代人の骨への高い見識から開発された膝上の
骨の叩打法を用いて対処します。これは手首の痛みや運動障害だけではなく、リウ
マチや偽痛風といった血液の質の低下を元に戻す治療法になります。
さらに家庭療法として推奨する頭と肝臓、胆嚢の氷冷却法は、脳内の熱のこもりと脳
圧の上昇を除去し、肝胆の熱と腫れをとります。以上の統合的なとり組みによって
手首の根本的な治療にあたっていきます。

 

 

どうして左利きになるのか~日本伝承医学的考察 20125.12.15 有本政治

世の中には右利きの人と左利きの人がいますが、昔は左利きは良くないと言われ
強制的に直されたものです。最近では左利き専用の物も数多く見かけるようになり
ましたが、まだ大半は右利きの人が生活しやすいようになっています。
しかし左利きには左利きになる理由が存在し、本来は無理矢理、右利きにしようとし
てはいけません。なぜならば左手を動かすことで心臓のポンプ力を助け、脳への血
流を促してくれているからです。
また最近では左利きは個性のひとつとして認識されるようになり、スポーツ界での
活躍や学問、芸術分野でも秀でている方々に、左利きが多いような気が致します。
左と右を用途によって使い分け、両方使える方々も増えてきています。日本伝承医
学では、なぜ左利きになるのかを考察していきたいと思います。

< 日本の古代人の発見した、右手と左手の作用の違いから、左を使う理由がある>

前項の院長日記「手首の痛みと運動障害の考察」の中で解説してきましたが、右手
と左手では人体に対する作用が異なります。右手には物を下げる作用があり、左手
には上げる作用があるというものです。これは日本の古代人(縄文以前に日本の
地に生きた人々)が、命の物理や人体生理、また骨への高い見識の中から発見した
気づきになります。この真意については、日本の古代人の高い精神性と物事への抽
象能力の高さに注目すべきだと考えます。縄文土器や土偶の芸術性の高さと抽象性
は世界に例を見ないものであり、日本の古代人の感性と脳の使い方には特筆すべ
き点があります。

また古代人は自然界の音を48音に分類し、表音文字と表意文字を同時に使いこなし
日本語を作り上げた高度な分析力と抽象力をもっていました。これだけ高度な洞察力
を有する人々であるなら、命の物理や人体生理の解明、また骨のもつ多様性を発
見開発しても不思議ではないと考えられます。
古代人が発見した両手両足の作用は、人体を臍(へそ)を中心に上下左右に4分割し、
右下肢と左上肢には物を上げる作用をもたせ、左下肢と右上肢には物を下げる作
用があるという事です。
前項の「手首の痛みと運動障害の考察」の中では、上記の原理を当てはめて、ピ
アニストがリサイタル等の当日に、右手首の突発的な固着と痛みを表す例をあげて
解説しました。故意に右手首を使えなくする事で、脳の血液が下がる事を防ぎ、精神
的ストレスの蓄積と極度のプレッシャーで脳の酷使からくる、脳の血液不足を回避して
いるということです。

また脳の血液不足を助ける対応として、右足の物を上げる原理を活用します。右足
の踵に突発的に痛みを起こす事で、踵を着かせないようにします。そしてつま先歩き
を余儀なくし、足とふくらはぎのポンプ機構を強力にする事で、右足の血液をもち上
げる働きを高め、心臓まで血液を還し、脳への血液供給を増進しようとしていくのです。
体は、緊急時にさらされると、このような対応手段をとっていきます(詳細はHP院長
の日記、突発性難聴の項参照)。非常手段としての右手と右足の原理の活用は上
記になりますが、左手には逆に物を上げる作用があります。これは血液を脳や心臓
に戻す働きを意味します。これが左利きを解明する手掛かりとなります。

<左手は、血液を脳にもち上げ、また血液を心臓まで戻す作用があるーーー遺伝
的に心肺機能が弱いタイプの人は左手を使う>

左手の物を上げる作用とは、具体的には、血液を脳までもち上げる力が補助され、
脳へ血液を送りやすくします。これは心臓のポンプ力の弱い人にとっては助けられる
作用で、手の末端から心臓までの血液の還りを増進します。この左手の血液をもち
上げる作用は、遺伝的に心肺機能の弱い体質の人にあてはまります。
左手を動かす事で、脳への血液供給を助け、心臓に血液が還りやすくなり、その分
心臓の血液の噴出量が増し、全身に血液が供給でき、さらに脳への血液供給が確
保できるようになるからです。特に心臓機能が減退して、心臓のポンプ力が低下する
と命に関わってきます。体はこの機能を守るためにあらゆる手段を尽くして対応してい
くのです。このための対応として、心臓の収縮力を助けるために、心臓を体ごと絞り
込む事で、心臓の血液の噴出力を助けます。この対応の一環の中に、左手を動かす
事で血液を心臓まで還りやすくし、また脳への血液供給を補うという対応が入ります。

体が示す命を守る対応は、幾重にも構築されていて、あらゆる手段を駆使します。
つまり左手をより多く使用して、左手のもつ、物を上げる作用を活用するのは必要
な対応なのです。左手を使う事が優先されるという事は、左利きを生む一つの要因
になるのです。左利きになるのは、偶然ではないのです。

生物として生まれて、その生を全うする事は必然です。自らの命を育み、種を保存
する事が生物の大命題です。そのためには、簡単に死に至っては意味を成さない
のです。命あるものは、何億年もかけて、ありとあらゆる環境の変化、疫病等を乗り
越えて、耐性力を身につけ、最後の最後まで、命を守り抜くように完璧な防御手段を
構築しています。この観点から、左利きになる原因を考察していくことが必要と考え
ます。左利きになるにはなる理由が存在するのです。生物は意味のない事は一切
起こしません。その根本原理と理念は、全て命のためになるかどうかが問われてい
ます。命の摂理に反する事は行なわないのです。

以上の観点に立って左利きを考察した場合、日本の古代人が発見した左手の原理
は、その謎を解く大きな指針となるものと考えます。その意味からすると、遺伝的に
心肺機能の弱い体質の人が、心臓の機能を助ける対応として、左手を動かし、心臓
に還る血液を補助し、脳への血液供給を助けていると考えられます。また現代では
受精して胎児になって10~12週で既に左利き、右利きになるかが決まっていると
言われ、その左か右かを決定する遺伝子が発見されました。つまり本人だけの問題
ではなく、母体に心肺機能(心臓機能や肺の機能)の弱さがあると、先天的に、生ま
れてくる子どもは左利きになりやすいということになります。

<遺伝的に心臓機能の弱い体質の人は、体全体が右にねじれている>

体のゆがみは、自分ではなかなか気付かない事がほとんどです。体のゆがみに
気付く例として女性のスリット入りタイトスカートの着用があります。タイトスカートは
下半身をタイトに包む構造になっていて、歩行によるよじれが出やすいのとスリットの
位置がずれる事で、スカートが回っているのがわかり易いためです。
スリット入りのタイトスカートを履いて歩いていると、知らない間にスカートが回ってい
ることに気付きます。これはどうして起こるかというと、体全体が右ねじれを起こして
いるからです。

この右ねじれがどうして起こるのかがこの項のテーマになります。前項で既に解説し
てあるように、心臓の血液の噴出を助ける対応として、心臓を体ごと半身を絞り込む
事で、心臓ポンプを補助するのです。この体勢をとるためには、全身を使います。
特に上体を右にねじり、上部胸椎を前方に突出させ、左肩を前下方に巻き込む姿
勢を余儀なくされます。また上体だけではなく、下半身も心臓を絞り込む姿勢をとっ
ていきますます。骨盤を右にねじり、左下肢を上方に引きつらせる体勢をとるのです。
これにより、体全体が右にねじれ、左半身が縮まり、絞り込まれていきます。スカート
が右回りする理由はここにあります。という事は右にねじれた姿勢を示してる人は、
遺伝的に心肺機能が弱い事を意味します。傾向的には、手足が長く、痩せ型のきゃ
しゃな体型の人に多く見られます。

全身を使って心臓を絞り込む体勢をとるのですが、それをもっと助ける対応として、
上部胸椎を前方に突出させます。これは、心臓の収縮は心臓の下部の尖った
形の心室で行なわれるために、この心室をより収縮しやすくする対応です。生きて
いる体の対応はここまで徹底してやるのです。正に見事な対応手段です。心臓の
遺伝的に弱い人の体型は上記の右ねじれと左半身の絞り込みと本来は後方彎曲し
ている上部胸椎(3、4、5番胸椎)が、逆に前方に突出させる姿勢を示すのです。

特に第3胸椎と第5胸椎が凹んだ状態になっています。これは日本伝承医学の診
断において、心臓の状態を診る反応箇所になっています。また心臓調整のための
治療場所にもなります(狭心症や心筋梗塞は第3胸椎と第5胸椎のヒビキ操法に
より著効を示します)。

この左半身に起こる右ねじれと心臓の絞り込みや胸椎の突出姿勢により、左肩は
右にねじれ、前下方に巻き込まれます。これに伴い左上肢も右にねじれ、右上肢
より前に位置します。この両手の位置関係は、手で物をつかむ場合に左を使い易く
します。逆に右手で物をつかむ場合には、体をねじれの逆の方に動かす事になり、
体の使い方が窮屈になります。
この状況が左手を優先的に使わせる事につながるのです。例えば乳幼児に向き合
って物を持たせる場合に、左手がやや前に位置し、体が右にねじれていれば、左手
を使う方が楽であり、左を使う頻度が高くなります。
この様に心臓ポンプを助ける姿勢の上体の右ねじれと左肩の前下方にへの移動は、
左利きになる要因の一つとして挙げられます。
(参)フィギュアスケートにおける何回転ものジャンプ回転は、右利きは左回転になり、
左利きは右回転になることがほとんどです。これは左利きは体全体が右にねじれて
いるため、右回転がやり易く自然の動きになるからです。

<母親自身の体が右ねじれしていれば、乳幼児を左手に抱く事が多くなる>

遺伝的に心肺機能の弱い体質の人は、体全体が右ねじれになっています。母親が
この姿勢をしている場合の乳幼児の抱きかかえ方は、左上腕と前腕で乳幼児の頭
と体を支え、授乳や抱っこをすることが多くなります。それは逆の腕で抱きかかえる
と、体のねじれの反対に抱えた体を向かせる事になり、楽な姿勢ではないからにな
ります。それ故左腕に乳幼児を抱きかかえる事が多くなっていくのです。
また、母親が右利きの場合、右手が自由に使えるように左腕で乳幼児を抱きかかえ
ることが多くなります。この抱き方は、乳幼児の右手が母親の体側に位置する事にな
り、自由度を制限する事になります。逆に左手は解放側にあり、自然に左手を使う頻
度が高くなっていきます。乳幼児が左手で物をつかんだりしていく機会が多くなってい
くのです。

左利きになるにはこうした様々な理由が存在しています。左利きは決していけないこと
ではなく、体を守るために生じている命を守る対応となります。自分自身でなぜ左利き
なのかを理解し、体に対する認識を深めて頂きたいと思います。

お気軽にお問合せください。 TEL 070-5590-4522

PAGETOP
Copyright © 日本伝承医学療法院 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.