アトピー性皮膚疾患の本質~何故治らないのか

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アトピー性皮膚疾患の本質~何故治らないのか 2016.5.17 有本政治

アトピー性の皮膚炎の方が昨今急増しています。ステロイド剤等で一時的に症状
が消失したかのように思えても、しばらくすると薬の効力が切れてしまい、前より
もっとひどくなってしまう場合があります。そしてまた薬を使用する。これを繰り返し
ていくうちに、アトピー性皮膚炎とは違った形の、ステロイド性の皮膚炎に移行し、
慢性化する場合が多く見られます。さらにステロイド剤の長期に及ぶ使用は、体に
備わっている免疫力を著しく低下させ、様々な感染症や病気に移行してしまう場合
もあります。

これはアトピー性の皮膚炎の本質がつかめていないからであり、捉え方に根本的
な誤りがあるからになります。症状は封じ込めれば治るというものではありません。
症状を根本的に改善していくためには、アトピー性皮膚炎とは何なのか、この基本
的な問いから見つめ直す必要があります。症状の根拠と機序を明らかにする必要
があるのです。そうすれば正しい対処の方法が見えてきます。

<症状は一方的に悪という概念を改める事から始めてみる>

体に表われる全ての症状(反応)には意味があります。それは体が懸命に生きよ
うとするための正への対応の姿になります。まずは症状が悪い事という概念を改
めていかなければなりません。生物として生まれて自らの体をより悪くなる方向に
させたり、早く死なせるようにする事はありません。生物は自らの命を最後の最後
まで守り抜くように、長い時間をかけて、防御力、免疫力、適応力を備えているか
らです。これは生物として極めてあたり前の事であり、こうした力が備わっているか
らこそ、生物は種の保存ができるのです。

体に表われる症状は、皆、意味のある反応になります。その意味とは何でしょうか?
それは、何かを元に戻し、命を守るための一時的な必要な対応であるということ
です。アトピー性の皮膚炎を起こす事で、何かを守り、体が悪い方向に向かう事を
防いでくれているのです。正の対応という視点でアトピー性の皮膚炎を捉え直し、
その本質を明らかにしていきたいと思います。皮膚に炎症と皮膚病を起こす事で、
何を意味し、何を守ろうとしているのかを考えてみましょう。

<命を守るためには、体内の熱をどうすてるかにかかっている>

症状や病気のほとんどは炎症という形をとっています。故に病名の最後に”何々炎”
と付く場合が多いのです。アトピー性皮膚炎、肝炎、肺炎、関節炎、筋肉炎、神経
炎等病名の多くがこれにあてはまります。つまり症状や病気は”熱との闘い”と言
っても過言ではありません。この観点に立ち、症状や病気をとらえ直してみると
いかに炎症を鎮めていくか、内部の組織器官にこもった熱を体外に、速やかにす
てていくかが命題になってきます。

自然の生薬によってこうした炎症を鎮めようとしているのが漢方薬治療になります。
漢方薬はそのほとんどが苦い成分でできています。「良薬口に苦し」の言葉通り、
苦味の成分が体の炎症を鎮める作用をもっているからです。漢方成分は”苦寒薬”
といって、苦味で冷やす事で内臓の炎症を鎮めてくれるのです(苦寒作用)。この
消炎作用、抗炎症作用を用いて病気を治していきます。

これと同様の作用を体は段階的な対応で、自然に行なってくれているのです。体内
の熱や炎症を鎮めるためには、漢方薬と同じ働きを、苦い胆汁(たんじゅう)にもた
せ、通常の熱をすてる手段としては、汗、呼気、便、尿等を用いています。しかし
これらの手段では、熱の排出が間に合わなくなると体は幾重にも段階的な対応手
段をとっていきます。アトピー性皮膚炎をはじめ、皮膚に表れる症状は、その第一
段階の対応手段と言えます。

<皮膚に炎症を起こし、皮膚病を起こす事で皮膚上に穴を開け、
体内に留めてはならない内熱と毒素をすてている>

体内に炎症や余計な熱が発生し、これを鎮静させる作用が低下したり、汗や呼気、
便や尿という通常の手段で、内熱や毒素を処理排出できなくなった場合の非常
対応の姿が、アトピー性皮膚炎になります。これは他の全ての皮膚病にもあては
まります。内熱や毒素を排出する非常手段としての別の例として、腐ったものを
食べた時の嘔吐と下痢が挙げられます。体内に留めていては命に危険が及ぶた
めに、速やかに体外に排出しようとしていくのです。

毒素や異常な熱の発生は、体内に留めていては害になり、命に危険が及ぶ場合
もあるため、いちはやく体外へ排出しなければなりません。生きている体は幾重に
も段階的に命を守るための、熱や毒素の放出の手段を構築しているのです。
皮膚に表れる症状は、その第一段階になります(詳細は日本伝承医学のホーム
ページ、熱をすてる五段階の対応の項を参照してください)。

<アトピー性皮膚炎を発症する人は遺伝的な体質が起因している>

全ての人がアトピー性の皮膚炎を発症するわけではありません。そこには遺伝的
な体質が大きく関わっています。病気の背景には必ず、自身の生命力や免疫力の
低下が存在します。アトピー性皮膚炎を発症する人のほとんどが、遺伝的な体の
弱さをもっているのです。遺伝的に弱い体質とは、心肺機能(心臓と肺の機能)の
弱い体質のことを言います。死の判定は心肺停止が一番の判定基準になってい
るように、命に最も関与しているのは心臓と肺になります。呼吸が停止すれば死
に至ります。また心臓が停止する事も死を意味します。つまり心臓と肺が生命維
持に一番関わる臓器と言えるのです。

この観点から遺伝的に心臓と肺の弱い体質の人は生命力が低下しやすいと言え
ます。生命力が弱いという事は、免疫力も弱い事を意味します。つまり心肺機能
が遺伝的に弱い体質の人は、様々な病気にかかりやすいということです。虚弱体
質で疲れやすく、アトピー性皮膚炎を起こしやすい体質とも言えるのです。

<心肺機能低下体質の人は、全身に十分な酸素を供給できず、
冷え性で皮膚が弱く、風邪を引きやすく、貧血や頭痛を起こしやすい>

心臓は命の源となる血液を全身に巡らせるためのポンプの役割を果たしています。
また肺は生命維持にとって最重要物質である酸素を血液に溶かして全身に送っ
て全ての組織器官を養っています。故に約3分50秒呼吸が途絶えれば死に至ります。
それだけ命に直結した臓器という事です。
この二つの機能が弱いと、全身に血液と酸素が充分に供給できません。手足の
末端まで血液が回らなければ冷え性になり、皮膚という一番外側にあたる組織に
血液や酸素が不足すれば皮膚機能が弱くなり、肺や気管支が弱ければ風邪を
引きやすくなります。また、頭に虚血(血液不足)が起きるために貧血や頭痛も起
こりやすくなります。アトピー性皮膚炎を発症する人のほとんどがこのような体質
にあたります。免疫力が弱いため、幼少の頃、自家中毒(周期性嘔吐症)を起こ
しやすくなります。

<アトピー性皮膚炎の原因となる内熱と毒素が貯まるのは、心肺機能低下の体質
をもつ人が、ストレスを受け肝臓機能低下が合わさる事で
血液の循環・配分・質を乱す事から発症する>

遺伝的に心肺機能低下体質の人が全てアトピー性皮膚炎を発症するわけではあ
りません。この体質に胆汁分泌低下や肝臓(胆嚢を含む)の解毒作用の低下が合
わさった時に発症しやすくなります。
元々心臓と肺の働きが弱いという事は、心臓のポンプ力が弱く、全身に血液を循
環させる力が弱いという事になります。また肺の機能である酸素をとり入れ二酸
化炭素を放出する働きが弱いということは、血液中に酸素を溶け込ませる作用が
弱くなり、二酸化炭素を含んだ血液が体内に残りやすくなります。これは血液の質
が大きく低下する事を意味します。つまり全身の血液の循環と血液の質が悪くな
ってしまうのです。

すでにこのような状況が存在している状態で、精神的なストレスが持続してしまうと
肝臓(胆嚢)が機能低下し、全身の血液の循環・配分・質の全てに影響が及んで
しまうのです(ストレスと肝臓との関連についての詳細は、ホームページ院長の日
記を参照)。
肝臓という臓器は中身の詰まった人体中最大の臓器で、レバーと呼ばれ血のかた
まりのような大きな臓器になります。肝臓は生命維持に不可欠な体内にとり込ん
だ栄養の「代謝」「解毒」「合成(胆汁の生成)」を一手に担う重要な臓器になります。
肝臓機能の低下は生命活動に大きな支障を及ぼすため、体はこれを元に戻す対
応として肝臓に大量の血液を集め、熱を発生させる事で機能を回復させようとしま
す。血の固まったような大きな臓器に大量の血液が集まる事は、全身の血液の
配分を大きく乱す要因となるのです。また大きな臓器に異常な熱がこもる要因とも
なります。

胆嚢は肝臓で作られる胆汁を袋に集めて濃縮し極めて苦い物質として蓄え、必要
に応じて袋を収縮する事で胆汁を分泌しています。この胆汁は脂肪の分解吸収や
便の生成、腸内で主要なビタミン類の合成等を担い、また体内の不純物や毒素を
便や尿として体外に排出する大切な役割も果たしています。さらに最も重要な働き
は、その苦い成分にあります。苦寒薬として体内の炎症を鎮め(抗炎症作用)、血
液の熱を冷まし、血液が連鎖しドロドロでベタベタになるのを防いでくれているのです。

この胆汁の分泌不足が血液に熱を発生させ、熱変性による赤血球の連鎖を生み、
血液の質の低下をもたらすと同時に、全身の毛細血管の流れに停滞と詰まりを生
起します。これは全身の血液の流れを停滞させ、これを流す対応として心臓のポ
ンプに大きな負担を与える事になり、心臓機能低下をもたらします。さらに毛細血
管に圧が加わる事で、毛細血管そのものにも熱が発生してしまうのです。

精神的なストレスの持続による肝臓(胆嚢を含む)と心臓に及ぼす影響は上記の
ようになります。”肝心要”(かんじんかなめ)とは命の源となる全身の血液の循環・
配分・質に一番関わる臓器だったのです。また肝心の弱りは、全身の血液の循環・
配分・質を乱すために、脳に血液の供給が十分に行なえず、脳の虚血を生じさせ
ます。これに加えて元々の心肺機能の低下があるために、脳の虚血は益々進行
し頭痛が慢性化します。脳内は少ない血液を早く脳内に巡らせる対応に迫られ、
脳圧を上昇させる事で血液を早く流そうとします。この状態の持続が脳に熱を発生
させ、脳の中心部の脳幹に熱をこもらせていくのです。

このように遺伝的に心肺機能が弱い体質の人が、精神的なストレスの持続から肝
心要が弱る事で全身の血液の循環・配分・質が大きく乱されるのです。これが
肝臓、胆嚢、心臓、脳及び脳幹、全身の毛細血管に異常な熱の発生と蓄積を生む
ことになります。さらに肝臓や胆嚢の解毒作用と不純物の排出機能の減退が体内
に毒素や不純物、老廃物の蓄積も引き起こしていきます。以上が体内の内熱と
毒素の発生の根拠と機序になります。

<体内に留めてはならない内熱と毒素を排出する非常対応手段が
アトピー性皮膚炎の本質>

冒頭ですでに解説してあるように、病気とは熱との闘いであり、また病気にならな
いためには、如何に体内に熱を発生させず、蓄積させないかにかかっています。
故に生きている体は、熱をすてる手段を何段階にも構築しているのです。簡潔に
述べますと、①皮膚病による対応 ②オデキによる対応 ③内部水腫 ④ポリープ
及び腫瘍 ⑤最終対応としてのがん化になります(詳細はホームページの熱をすてる
ための五段階の対応の項を参照)。前項で如何に体内に異常な熱(内熱)が発生
するのか、その機序を明らかにしてきました。

体内で発生した不純物や毒素は、速やかに体外に排出する必要があります。
その毒素を分解したり、不純物を排出する働きを担う肝臓と胆嚢の機能が低下し
たために毒素や不純物が体内に蓄積してしまうのです。これらを通常の手段ですて
られなくなった時の非常対応が皮膚病になります。全ての皮膚病の本質はここに
あります。アトピー性皮膚炎の本質もここにあるのです。
つまり体にとっては内熱や毒素をすてる必要不可欠な対応手段なのです。アトピー
性皮膚炎を一方的に悪い反応としてみていますが、その本質は、命を守るための
必要対応であったのです。

<これを薬で封じ込めようとしても、体の必要な対応を止める事はできないだけ
でなく、肉体的にも精神的にも大きなダメージを受ける>

アトピー性皮膚炎の治療が難しいのは、根本的な病気の捉え方に見誤りがある
ためです。症状を封じ込める治療では解決する事はできません。ほとんどの場合
ステロイド剤が使用されますが、この薬の効力は限られており、約3ヶ月を経過す
ると再発してしまう場合が多々あります。ステロイドと呼ばれる副腎皮質ホルモン
は強力な抗炎症作用を有し、一時的に皮膚炎を消失させますが、その反面、体の
免疫力を著しく抑制させてしまいます。さらに外部からホルモンを投与する事を続
けていくと、自力でのホルモン生成が減少していきます。自分で治ろうとする力を
奪ってしまうのです

体の免疫力が落ちると、様々な感染症にかかりやすくなってしまいます。感染症
で細菌やウイルスに侵された場合は、これを殺す抗生物質をさらに使用する事に
なり、抗生物質の副作用が益々体の生命力と免疫力を低下させていきます。また
封じ込める治療を長期にわたり行なうと、ステロイド性の皮膚病に移行してしまう
こともあります。またアトピー性皮膚炎によるダメージは肉体的なことだけではなく、
精神面へも多大なる影響を及ぼします。かゆみや痛みで熟睡できなくなるため、
心身と身に疲労困憊してしまうからです。集中力が欠落したり、情緒不安定になる
場合もあります。

<ではどう対処するべきか>

アトピー性皮膚炎発症の根拠と機序をこれまで明らかにしてきました。根拠と機序
が示されたという事はどう対処すべきかの回答はすでに出ています。
全ての病や症状の背景には、自身では気づきにくいのですが、生命力や免疫力
の低下が必ず存在します。これらを高めていくことにより、心肺機能低下体質を高
めていきます。そして直接的な要因となっている全身の血液の循環・配分・質の乱
れを元に戻していきます。そのためには肝心要に当たる肝臓(胆嚢を含む)と心臓
の機能を高める必要があります。特に胆汁の分泌を正常に戻すことで、アトピー性
皮膚炎の直接要因となっている皮下の毛細血管の熱の発生とこもりをとる事が不
可欠です。

このように体内の内熱と毒素の蓄積の原因となる肝臓胆嚢と心臓の働きを高める
ことなくしてはアトピー性皮膚炎の根本的改善はできないのです。
これらの条件の全てを満たす事ができるのが日本伝承医学の治療法になります。
生命力と免疫力を効率的に高めるには、細胞新生(生命力)と造血(免疫力)を司
る骨髄の機能を発現させる事が必須です。日本伝承医学の治療法は世界で唯一
骨髄の機能を発現させる目的で構築されています。
また内臓的には肝心要の働きを高めることを目的に技術が構成されています。特
に肝臓胆嚢の機能を元に戻すために開発された右の大腿骨の叩打法は著効を示
します。さらに古代人が開発した皮膚病の直接的な技法の上体のねじれをとる操
法はアトピー性皮膚炎やじんま疹、全ての皮膚病に有効です。

また家庭療法として推奨している頭と肝臓胆嚢の氷冷却法は、脳内の熱と脳圧の
上昇を除去し、肝臓胆嚢の熱と腫れを鎮めてくれます。かゆみのある個所を氷
冷却していくことで、かゆみや痛みを緩和していくこともできます。アトピー性皮膚
炎は、皮膚だけの問題として患部だけをみていくのではなく、このように内臓との
関連の中で捉え直し、免疫力と生命力を高めていくことで、徐々に改善していくこ
とができるのです。

 

アトピー性皮膚炎をとらえ直す                                2004. 有本 政治

アトピーとはギリシャ語で意味不明とか原因不明という意味から、この名称が使われています。まさに難治性の皮 膚病の代名詞のような病気です。アトピー性皮膚炎に悩む人は近年ますます増加の傾向にあります。有効な治療手段 がないのが現状です。ステロイド系の治療薬は、即効性を 有するものの三ヶ月しか有効性がなく再発してしまいます。 繰り返しの使用は、その副作用と自律神経失調を助長され る弊害を併せ持っています。 アトピー性皮膚炎の本体を日本伝承医学的に解説してみたいと思います。アトピーを含むすべての皮膚病は、人体に発生した異常な熱と体内毒素をすてるための人体の正の対応の姿であります。 アトピー性皮膚炎の患者の遺伝的体質は、呼吸器(肺)と腎 臓機能に弱さをもっているケースが多いと考えられます。 肺と腎臓は人体の熱をすてるシステムに大きく関わる臓器です。肺は呼吸器を司り、呼く息で有害な二酸化炭素と体 内の熱を体外に排出しています(呼く息は温かくなります)。 肺と密接な関わりのある皮膚も呼気作用をもっていて、皮膚から二酸化炭素と熱をすてています。

皮膚の発汗作用は体温を調節し、体内温度を36.5度に保つために一番働く作用になります。体表に汗をかくことで その汗が乾くとき“気化熱”として冷却作用を働かせるのです。熱をすてるシステムの大半は皮膚からの発汗作用によって行われています。皮膚の総面積は、約畳一畳分といわれる位に広いものです。この全面を使って体内の熱の一定化を担ってくれています。アトピー体質の人はまず、この皮膚機能に低下がみられます。 また皮膚は体表だけでなく、口から胃を通り小腸、大腸、 肛門までつながっている体内を貫く“管”である内管系の粘膜とつながった存在になります。 わかりやすく例えれば手袋の表と裏側と同様につながった存在ということです。この内管系の大部分は小腸と大腸であり、その長さは小腸(約6~7m)、大腸(約2m)を合わせる と10m近くにもなる長い管です。その内面の広さは、テニス コート一面位あるといわれています。この内面の粘膜からも熱や毒素をすてています。

このように肺と皮膚と腸は密接な関係があり、体内の熱をすてるシステムのほとんどをこれらの器官が担っているのです。また腎臓は、血液のろ過再生装置として体内の老 廃物や毒素を尿として生成し、膀胱に貯めて小便として体 外に排出してくれています。 この腎臓の作用も体内の熱と毒素をすてる重要な手段にな ります。腎機能の衰えは、血液・体液をろ過できなくなり、 血液・体液の成分異常(質の変化)が発生します。これは、人体にとって大変なことであり、身体のすべての生理機能 に影響が及びます。人体中に有害物質が充満するといってもよいでしょう。肺と腎臓の遺伝的弱さは、人体の熱と有 害毒素を体外に排出する機構に低下が起こりやすいことを あらわしています。

この遺伝的体質を持っている人が、さらに肝臓機能に低 下をもち、肝臓の解毒作用が減退したときにアトピーは発生します。肝臓の機能低下の最大の要因は、精神的ストレ スの持続にあります。精神的ストレスは老若男女を問わず、 誰でも均等に肝臓機能を減退させます。それは例え赤ちゃんであっても同じです。アトピー発生の引き金は、遺伝的 体質もさることながら、必ず精神的ストレスによる肝機能 低下が背景に潜んでいます。精神的ストレスは真っ先に、 肝臓に充血、炎症を生起します。人体中、中身の詰まった 血の塊のような大きな臓器である肝臓に充血が起こると、 全身の血液の配分を大きく狂わせていきます。この配分の狂いは、即、体質的に弱い臓器に機能低下をもたらし、肺と腎臓の弱いタイプの人は熱と毒素をすてるシステムにま すます減退を起こしていくのです。

普通の手段で体内の熱と毒素をすてられなくなった人体は、非常対応手段として皮膚にアトピー性の皮膚炎を発生させることで熱と毒素を体外に排出し、命を守る方向に働くのです。これがアトピーの本体であります。 学生時代まではアトピーが出なかった人が社会に出て働くようになった途端に発生するというケースがよくありますが、これは前述してありますように、精神的ストレスによる肝臓機能減退が引き金となっているのです。また幼少期より両親の愛情不足あるいは家庭不和、強権的なしつけ、 劣等感等の、精神的な抑うつが強度のストレスとして作用した場合、アトピー性皮膚炎として発生させ、内熱を排出 させていくケースも多々見受けられます。

アトピーという病気を肉体的なアプローチだけで解決することは困難で、精神的な要素を含めて認識することが大切であります。 日本伝承医学の技術は、肺と腎臓の機能を妨げている身体の捻れの歪みを三指半操法で瞬時に取り去り、肝臓の調 整法、腸の調整法を加えることで肺、腎、肝、腸というアトピーに深く関わる内臓の機能を高めることが可能です。 さらに肝臓と脳の冷却法により血液の循環・配分・質を高めることができます。まさに的を得た方法といえるのです。

 

皮膚にあらわれる症状 ~にきび・おでき・アトピー性皮膚炎~             2005. 内田 多美子

皮膚は脳みそを薄くのばした状態といわれています。また皮膚 には呼気(こき)作用があり、体内にこもった余計な熱や不要 なものを排出している大事な場所になります。食品用のラッ プ等で皮膚を全部覆ってしまうと死に至るのは、脳が働かなくなり、皮膚の排出能力がなくなってしまうからです。 毎日入念にファンデーションをぬって化粧をすることが、 良くない事がわかります。爪も同じです。爪も生きている 場所なので、マニキュアは、爪を窒息状態にさせてしまい ます。体に対する認識は、無知ということが一番こわいことで、知識 があれば、対処できることはたくさんあります。化粧が肌に良く ないことを認識すれば、できるだけファンデーションをぬる時間 を短くすればいいのです。肌を大切にしているファッションモデ ルの方々は、ステージに立つ寸前まで化粧をしません。そしてショーが終わると即座に化粧をおとします。化粧は、するときよりおとすときの方が、細心の注意と気配りが必要だといいます。 肌をこすりすぎたり、刺激の強い化粧液を使えば、てきめんに荒 れてしまうからです。マニキュアも爪の付け根の所は少しあけて この部分にはぬらないようにします。除光液は、使う頻度をできるだけ減らすようにしていきます。

体が1週間に1度の休息日が必要なように、皮膚や爪にも、素のままの休息日が必要なのです。また1週間に2日位は夜10時 に寝るように心がけましょう。10時から明け方4時までが、 新陳代謝が活発に働き、成長ホルモンの分泌を促すので、 この時間帯に眠りにつくことで、肌のきめがこまやかになり、皮膚が健康に保たれていきます。同じ6時間の睡眠でも、12時から6時まででは効果が違ってくるのです。洗顔時に使う石鹸や化粧品によっても、皮膚は大きく左右されていきます。よく泡立ち、落ちるからといって保存料や香料、化学物質の含まれている石鹸を使うのは控えるようにします。石鹸 は馬油石鹸をすすめます。昔から、やけどや床ずれの特効薬といわれてきた馬油は、人間のたんぱく質と相性がいいため、皮下にすばやく浸透し、血行を促し、弱った皮膚機能を回復させてくれます。洗顔後や化粧前の下地も、保存料や化学物質が含まれている化粧品は避け、馬油に切り替えていきましょう。馬油は洗顔後のつっぱり感をなくし、肌の乾燥を防ぎ、みずみずしさを保ってくれます。にきびやおでき、アトピー性皮膚炎も同様です。

ステロイド剤 (副腎皮質ホルモン剤等)を使えば、一時良くなったように見えますが、根本が完治していないため、すぐにまた症状が出てきます。そして長期にわたり薬の使用を繰り返していくと、症状はより内部に進行していき、その人の免疫力、生命力を低下させていきます。また、ステロイド系の薬は、抗炎症作用が極めて強く、即効性 があるので症状はおさまりますが、その代償として様々な副作用を発生させます。皮膚にぬられたステロイド剤は、皮下から毛細 血管や全細胞に入り、ホルモンや自律神経のバランスを崩し、生理機能を低下させていくと共に、骨髄の造血力をも、おとしていきます。やがて肝臓が正常に働かなくなり、血液の配分、循環、 質が悪くなり、体は正常なホルモンを作れなくなっていきます。 良かれと思い、続けていることが、知らぬまに体を徐々に衰弱させてしまうのです。

このように体を全体との関連の中でとらえていく日本伝承医学 の考え方は、東洋医学の分野になります。悪い部位だけを見て、 症状を消し去り、治していく西洋医学とは、大きく概念を異にします。歩んできた人生が各々違うように、人にはそれぞれの価値観があり、価値観を強いることはできません。でも何が真実かを見極め、知ることによって、軌道を変えていくことはできます。西洋 医学で見放され、限界と診断された症状でも、東洋医学の力で、不可能を可能にしてきた症例は、数えきれないほど存在しています。にきびやおでき、アトピー性皮膚炎等、皮膚に出る症状はすべて 体の弱りから臓器が熱を持ってしまったため、皮膚に穴をあけてまでも、不必要な熱や毒素を体外へ、いっときも早く出そうとしている姿なので、その部分を封じ込め消し去るのではなく、出させてあげてください。

人間には本来、自然治癒力というものが存在しています。心身が弱り、傷つけば、それを助け守ろうとするために、体はありとあらゆる手段を用いて、起動していきます。血が流れ出て激痛だった傷口が、少しずつ、いつのまにか閉じて再生するように、悪い部分が生じると、体は自然に治癒力を発揮し、再生していくのです。皮膚にあらわれる症状は、かゆみや痛みをともないますが、かゆみはかくことで、その部位に血液を集めてくれます。痛みは痛 みを引き起こすことで心臓を拍動させ、全身に血液を循環させてくれています。だからどんなに痛くて苦しくても、心配すること はありません。体ががんばって生きるために対応しているのです。かゆみや痛みは、氷を入れたアイスバッグで患部を冷却するこ とによって、かなりらくになるので、アイスバッグを肌身離さず 持ち歩き、24時間体制であててください(冷たすぎるときは大判のハンカチ等で包みます)。また疲れやストレスをできるだけ ためないように、たまにはゆっくり休暇をとることも大事です。 心身ともに充分静養できれば、血液の循環も戻り、体が内熱をこ もらせなくても良くなります。

日本伝承医学の治療は、骨伝導を介して骨髄機能を上げ、造血力と細胞の新生力を高めていきます。肝胆ので、体にこもった内熱を除去し、肝臓機能を回復させ、心臓調整法により心機能を高め、血液の循環、血液の質を良くしながら 症状を内部から改善させていくので、皮膚の症状には著効を示します。皮膚には呼気作用があり、肺と密接に関わっています。 私たちは皮膚からも二酸化炭素と熱を捨てているのです。 また腎臓も体の熱を体外へ捨ててくれる大事な役割を果たす場所で、皮膚と大きく関わっています。このように皮膚にあらわれる症状は、単に皮膚だけのこととしてとらえていくのではなく、内臓との関連からみていくことが必 要です。物事は、一部分だけではなく、全体を見渡していくと、ほんとうの原理がみえてきます。

お気軽にお問合せください。 TEL 070-5590-4522

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