血糖値をとらえなおす

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血糖値をとらえなおす                             2004.12.15 有本 政治

《血糖値とは何か》

血液の中に含まれるものといわれて思い浮かぶものはなんでしょうか? 赤血球に白血球、血小板、コレステロール等、血液中には約600種もの成 分が含まれています。これらの成分を大別すると、赤血球などの有形成分 が45%、水分や糖質、脂質などの液体成分が55%となっています。 その液体成分のうち、糖質はわずか0.1%程度を占めるに過ぎません。驚くほどわずかな含有量になります。血液中にしめる割合は小さいですが、血糖の果たす役割は大きく、私たちの生命を左右する重要な成分のひとつになります。

では血糖はどうやって作られているのでしょうか?

私たちが食事をして栄養を補給すると、まず胃の中で細かく砕かれ消化されます。次に小腸に送られ、ここで栄養素の中の糖分が肝臓に吸収されます。 そして肝臓で血糖に変換されて、必要な量の糖分が血液中に送り出され、エネルギー源として身体各組織を働かしてくれます。特に脳にとって血糖は、唯一のエネルギー源として大切な活動の源となっています。余った糖分は、グリ コーゲンに変えられて肝臓に蓄えられます。また、緊急時に備えて、脂肪分 に変換されて筋肉中にも蓄えられます。

つまり、私たちが呼吸ひとつするにも、筋肉を動かすにも、血糖が不足してしまうと体は破綻をきたしてくるのです。そのために人間の体には、たとえ一瞬でも血糖が不足しないように、徹底した防御システムが組み込まれています。

《血糖の防御システム》ホルモンによるものをまずあげてみます。

私たちの体は血糖値が下がったときに備えて、5種類の血糖上昇ホルモンを用意しています。血糖値を上げるホルモンは、すい臓からのグルカゴン、副腎からのアドレナリン、甲状腺ホルモン、脳内からの成長ホルモン、糖質コルチコイドになります。しかし血糖値を下げるホルモンは、すい臓からのインスリンのひとつだけになります。血糖を上げるホルモンは5つもあるのに、下げるホルモンはひとつしか備えていないのです。この生体の防御システムをみてみると、いかに低血糖による生命の危機を防ぐシステムが、人体に備わっているかがよくわかります。 血糖値が高いことばかりを気にする風潮が支配していますが、実は血糖値が下がることの方が、生命にとっては危険を及ぼすのです。

次に神経による直接的な調節作用をあげてみます。

肝臓を支配しているのは、自律神経の中の交感神経です。交感神経の緊張はグリコーゲンを分解し、糖新生を促進刺激して血糖値を上昇させます。逆に、自律神経の副交感神経の中の迷走神経(胃を支配)は肝臓のグリコーゲンの合成を高め、糖新生を抑制して血糖値を抑える調整をしています。これらの働きはホルモンを介した二次的なものではなく、直接的に血糖値の上昇、下降に関与してきます。自律神経の乱れ、特に交感神経の緊張は、精神的ストレスと大きく関わります。極度のストレスによって交感神経が刺激されると、肝臓機能が異常亢進され、血糖値が一気に高くなってしまいます。血糖と精神状態は大きく関連しているのです。

《血糖値の可変システム》

血液中の血糖値は、血圧と同様に可変できるシステムを人体は備えています。血糖値は正常な場合でも、食前と食後では異なります。炭水化物が小腸で吸収されて肝臓に行き、血糖が作られ血液中に入るため、食後の血糖値は食前より高くなっていきます。一応の目安として、空腹時の血糖が70~ 100mg/dl、食後一時間位の血糖値は140mg/dl以下になります。60歳以上では空腹時血糖110mg/dl以下、食後1時間血糖160mg/dl以下が目安といわれています。これらの数値は性別、年齢、条件によって可変し、一日の中でも変動していきます。

また、加齢と共に高血糖になるのは、年をとるとエネルギー代謝力が落ちるため、体はそれを補おうとし血糖を高くしているからです。血糖値は常に変動することで、人体のエネルギー代謝を維持してくれています。ですから一過性に血糖値が200mg/dl以上になったとしても、けっして驚くべきことではありません。 命を守る対応として必要だから高くしているのです。季節によって、一日の中の時間によって、また加齢と共に変動していくことで、そのときの体の条件にいち ばんあった血糖値を体は察知し、調整し命を守ってくれているのです。私たちの体は生き抜くために、自動的に修正する能力があるということを、再認識する必要があります。

《生命を守る対応》

生物として生まれて、一日も早くその生を終わろうとして生きているものは存在しません。自らの命を最後まで守り抜くために、人智を超えた生へのプログラムが完璧に設計されているのが、生物としての真実の姿であります。そのためには、命を守る生への対応システムが必ず幾重にも張りめぐらされています。 血液中の血糖は解糖によって得られる化学エネルギーを、すべての細胞のエネルギー源として使用しています。そして筋肉も内臓も脳もこのエネルギーによって動いています。生命活動を行っている私たちの体は人体内のエネルギー消費の条件に応じて、血糖値を可変しながら生きているのです。血糖値が下がれば、すぐに上げる対応を取り、血糖値が高くなれば速やかに下げる対応が取られていきます。 特に血糖値が下がった場合の生命エネルギー源を守る防御システムは幾重にも周到に準備されています。体のどこかにエネルギー消費が必要な場合は、血糖値を高くして、これを補おうとする対応がとられていきます。 大切なものだからこそ、常に一定の範囲の数値を維持しなくてはならないからです。このように血糖値が高くなるということはけっして悪い対応ではなく、命を守る上で必要な対応の姿となります。

血糖値が正常の範囲を超えてさがってしまうと、全身がエネルギー不足の状態に陥ってしまいます。この影響を最も受けるのが脳です。 脳は血液中のブドウ糖を唯一のエネルギー源として活動する器官であり、エネルギー消費の高い場所であります。また脳は、酸素の消費量も高い場所であり、常に新しい血液を必要とする器官になります。 肝臓の充血により、血液の配分が乱され、脳に虚血状態が起こった場合、交感神経を緊張させ、血糖不足と酸素不足を補うために血糖値と血圧を一過性に一気に高めようとする対応がしばしば発生します。このとき血糖値は、正常範囲をはるかに越えて300mg/dl近くに達する場合もあります。しかしこれは、脳の働きを正常に保つための一過性の緊急対応処置であるため、けっしてあわてることはありません。せっかく血糖値を高くしいるのにこれを無理に薬で下げてしまうと、体は脳圧を高め、エネルギー不足を補おうと働きます。生命体とは、最後の最後まで命を守る対応手段を働かせていくのです。

《高血糖を薬で抑えるとどうしていけないか?》

血糖値は血圧と同様に可変できるようになっています。血糖は体のエネルギー物質で、これによって内臓も筋肉も脳も動いています。血糖値が高くなるということは体に生じたエネルギー不足を補うための対応の姿になります。このとらえ方は極めて自然な考え方になります。元々、現代医学による薬の治療は内科疾患に対しては無意味である場合が多く、薬の効力が発揮するのは、伝染性の疾患で、細菌やウイルスを殺す抗生物質が主流であるべきものであります。現代医学200年の歴史の中で伝染病に対して薬は極めて有効であったのですが、ここから悪いところはすべて手術で切り取り、薬で押さえ込んでしまうという考えが浸透してしまったのです。この延長上で、検査データで出た数値に対しても、数値的に高いということだけが一方的に悪という考え方が定着してしまいました。これにより、数値を下げれば治ると錯覚してしまったところに大きな落とし穴を作ってしまったのです。

高血糖とは、一過性に血糖値を高くすることで、脳内の血糖不足を回避し、血液の質を元に戻す、対応の姿であるという本質を見失ってはいけません。生命体として 必要な対応として血糖値を上昇させ、エネルギー不足を補おうとしているのに、これを薬で無理に下げてしまうということは、次なる命を守る対応手段に入っていくことになります。血糖値を薬で下げたために発生する次なる対応とは、血糖をいちばん必要とする脳に、血糖不足をますます進行させることになります。これにより脳内は血液の循環・配分を必死に守ろうと、脳圧を上昇させていきます。当然全体的な血圧の上昇も伴い、心臓への負担は増大します。脳圧の持続は、眼圧をも高め、眼病(白内障、緑内障)を発生させる原因として働きます。また脳内は、血液の循環、配分を確保する 対応として、毛細血管をつまらせることで主要な血管の循環を守ろうともしていきます。つまり脳梗塞の発生です。さらに必要な血糖値が下がるということは、全身的な各組織・器官のエネルギー不足も作り出し、これを補おうとして体は肝臓にますます負担をかけることになってしま います。肝機能の低下は進行し、肝臓の解毒作用、血液成分の生成が阻害され、血液の質をますます低下させていくのです。これは血液のろ過再生装置としての腎臓 機能をも低下させ、腎不全症に陥っていく危険をはらんでいます。そして人工透析へと病状を悪化させていきます。また薬の長期服用は交感神経を緊張させてしまうため、 自律神経のバランスをくずし、体に様々な異常を発生させていきます。つまり良くなりたいと思って飲み続けた薬により、結果的にはより深刻な新たな病気を生じさせてしまうのです。

《血糖値上昇はストレスが原因》

血糖値が高くなれば、これを薬で下げるといった処置の方法では高血糖を根本的に 解決することはできません。高血糖を単なるすい臓の病としてみるのではなくもっと総合的に、身体各臓器との関連、精神的な関わりを含めてとらえることが必要です。日本伝承医学における疾病観、生理観はすべての病気・症状を血液の「循環・配分・ 質(成分)」の異常としてとらえています。すべての病気、症状の始まりは精神的ストレスの持続による肝臓の充血、炎症(熱)に起因すると考えています。人体中最大の中身 のつまった血の塊の臓器である肝臓が充血を起こすと、まず人体内の血液の循環、配分を大きく狂わしていきます。特に酸素消費量が大きく、常に多量の新しい血液を必要とする脳に持続的な虚血状態をつくりだしてしまいます。脳の血不足の持続は血液の循環・配分を守る対応として脳内の圧力(脳圧)高め、血液の流れを促進しようとします。脳内は、脳圧が持続的に高まることで、脳の中心部、いわゆる脳幹部に内熱を発生し、脳内温度、脳幹部温度が上昇します。脳幹部の温度 上昇は、その中にある自律神経中枢、ホルモン中枢の機能を低下させます。自律神経 の機能低下はまず交感神経の緊張を生み、肝臓を刺激し、糖新生を促進し、血糖値を上昇させます。さらにホルモン中枢の機能低下は、血糖上昇ホルモンとしてのすい臓のグルカゴン、甲状腺ホルモン、副腎髄質からのアドレナリン、脳内の成長ホルモン等を異常に紛糾させ一過性に血糖値の上昇を生起させていくのです。肝臓は血糖を作り出す場所であり、また血液成分を分解処理し、解毒する場所でもあります。精神的ストレスの持続による肝臓機能の低下は、血糖不足を引き起こします。 体はこれを補う対応として、肝臓の血糖不足を人体中の血糖を総動員させ、一過性的 に血糖の異常な上昇を作り出していきます。つまり血糖値の異常な上昇は、命を守るための対応手段になります。高血糖は単にすい臓からのインスリン不足として片付けられる問題ではありません。よく糖尿病の患者さんが食事を節制して血糖値をコントロールしていたのに、怒りやストレスで一気に血圧の上昇と血糖値がはね上がってしまうことがあります。このように精神的ストレスと血糖上昇のメカニズムは、密接に関わっているのです。

薬で血糖値を下げてしまうことは、一時的に血液の質だけを調整したにすぎず、血液の循環、配分をかえって乱すことにつながります。循環、配分の乱れは余計に質の悪化を招くことになります。精神的ストレスから起因する肝臓機能の回復が体を改善していく上で不可欠であるということを認識していただきたいと思います。

《日本伝承医学が有効な理由》

日本伝承医学は、疾病観、生理観として、すべての病気や症状の元となるものは、人体電気のレベル低下、電気不足が根底にあると考えています。電気不足が発生することで血液、体液の循環、配分、質が乱されていくのです。日本伝承医学では、人体の骨という組織を根底からとらえ直し、骨は生命活動の中心をなす「物質・エネルギー・情報」の貯蔵庫であり、発信基地であるとしています。この骨のもつ機能を発現 させる方法として、骨に圧を加え、骨に電気を発生させ、骨髄を刺激します。骨髄は免疫機能の総本山であり、骨髄の中にある幹細胞は遺伝子の発現、再生、復元、細胞 の新生、赤血球、白血球を作り出す場所となります。 また骨は、カルシウムとリンの貯蔵庫です。カルシウムは人体中のミネラルの中で最 重要物質であり、血中のカルシウム(Ca)濃度は血糖値以上に厳密に調整され、すべての細胞を生かしています。そしてリン(P)は糖が解糖されて、化学エネルギーに変換 される際になくてはならないエネルギー物質となります。ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれ、これなくしては内臓も筋肉も脳も活動できません。日本伝承医学の骨に電気を発生させる技術は骨のもつ機能を発現させ、骨の中にあるカルシウムとリンの濃度を一番いい状態にもっていくことができます。人体のエネルギー代謝を調整できるのです。また個々の技法として、血糖の生成に関わる、肝臓を調整する技法、すい臓調整法、血液の質を変える叩打法等があります。骨に圧を加え、電気を発生させることにより、血液の循環・配分・質を一気にかえることができます。そして血糖値を各人が今必要とする最適の値に導くことができます。また日本伝承医学が提唱している肝臓と脳の冷却法は、充血し機能低下した肝臓の熱を取り去り、血液の循環・配分・質を整えてくれるので、血糖値を調整していくことが できます。これにすい臓冷却法を加味するとより効果的になります。病や体に生じる症状は単に目に映る現象を薬で一方的に封じ込めていては、根本的には何の解決にもなりません。それどころか結果的に、より深刻な状態へ体を導い てしまうことになります。与えられた自らの寿命を全うすべく、誤った命の選択をしてほしくないと切に願います。

平成16年12月15日
日本伝承医学研究所 有本 政治

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